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上野誠の万葉歌ごよみ
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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサープロフィール
utagoyomi@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2024年4月20日 放送分】
【2024年4月13日 放送分】
【2024年4月6日 放送分】
【2024年3月30日 放送分】
【2024年3月23日 放送分】
【2024年3月16日 放送分】
【2024年3月9日 放送分】
【2024年3月2日 放送分】
【2024年2月24日 放送分】
【2024年2月17日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2020年3月7日 放送分】
2020年3月7日
【巻】…3・405

【歌】…春日野に粟蒔けりせば 鹿(しし)待ちに継ぎて行かましを 社(やしろ)し留むる

【訳】…春日野に粟を蒔いていたならば鹿がやって来る。鹿を待つように、あなたを待ちたいのだが、お社があるから、そんなことは出来ませんね

【解】…春日野は、行楽地であると同時に神様を祀る神聖な地域でもあり、いくつかお社が建てられていました。今回の歌では、そういった前提をもとに、男女が恋の歌を交わしています。作者の佐伯宿禰赤麻呂は、ある女性に熱心な口説き歌を贈りました。それに応えた女性の歌が404番。要旨は、「もし、春日野に神様のお社がなかったら、春日野に粟をまいていたでしょうが、お社があるのでまけませんよ」。粟は「会う」にかけた言葉ですので、「あなたとは会えませんよ」と返事しているのです。つまり、赤麻呂はふられているのですね。それでも赤麻呂は引き下がらず、今回の405番の歌を贈りました。「春日野に粟をまいたならば、それを食べにイノシシやシカがやって来る。そのイノシシやシカを待ち伏せするように、あなたを待ってデートしたいが、お社があるから粟をまけないので、会えないのですね」これに対し、女性はまた次の歌でお断りしているのですが、本当に気がないのなら返歌しないとも考えられます。もしかすると、この一連のやりとりは、二人が恋の鞘当てを楽しんでいたのかもしれません。