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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2021年5月15日 放送分】 |
2021年5月15日 |
【巻】…12・3146
【歌】…草枕旅の衣の紐解けぬ 思ほせるかも この年ころは
【訳】…草枕旅の衣の紐がほどけてしまった、妻が思っているのであろうよ、この数年は
【解】…草枕は旅にかかる枕詞。草を枕にする程、旅が苦しいことを表しています。この歌では、旅の途中で、衣の紐がほどけたとのこと。当時の男女は、旅の出発時に、男性の旅衣の紐を女性が結ぶという慣習がありました。女性それぞれが特有の結び方をして、男性が帰ってきた時に、ほどけた跡が分かるようにしていたようです。男性が貞操を守ったかどうかを知る手段だったのでしょうが、その一方で、女性が男性のことを強く思うと紐が自然とほどけるという考え方もありました。当時は長旅が多かったので、自然と紐がほどけることも多々あったでしょうから、誰も傷つかない、そのような考え方が生まれたのかもしれません。
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