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「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2021年5月29日 放送分】 |
2021年5月29日 |
【巻】…4・664
【歌】…石上(いそのかみ)ふるとも雨に障(つつ)まめや 妹に会はむと言ひてしものを
【訳】…石上のふるではないが、雨が降ってもじっとしていられようか、君に会おうと約束していたのに
【解】…大伴宿禰像見(かたみ)が詠んだ歌。「石上ふる」は、現在の奈良県天理市にある石上という地域の中の布留(ふる)という場所を指しますが、その「ふる」が、雨が降るの「ふる」に転じています。雨障みというのは、雨で家に閉じ込められている状態。大伴像見は歌で「雨だからと言って、じっとしていられようか」と詠んでいます。理由は、恋人に会おうと約束したのだから、と。当時は、交通機関も雨具も整っていないので、雨が降れば移動することが困難になり、会う約束をしていても会えなくなるケースが多々ありました。当時の人は、それが普通のことと受け止めていたようですが、像見はと言えば、雨でもすぐに家を飛び出しそうな勢い。それほど、恋人に会いたいという気持ちでいっぱいだったのでしょう。
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