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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2021年10月2日 放送分】 |
2021年10月2日 |
【巻】…10・1993
【歌】…外(よそ)のみに見つつ恋せむ 紅(くれない)の末摘花(すえつむはな)の色に出(い)でずとも
【訳】…彼女を見ずに恋してゆこう、紅の末摘花のように顔に出さなくても
【解】…秋の花である末摘花は、現在のベニバナを指していて、赤い染料の原料になります。この歌は、そんな末摘花のことを引き合いに出しながら、詠んでいるのは恋のこと。人は、恋した相手を前にすると顔が赤くなりますし、できればその人のことをずっと見ていたいと思うものでが、この作品では、恋の相手を直視しないようにしつつ、顔も末摘花のように紅に染めないでいようと歌っています。恋していることを他人に悟られないようにするためでしょう。でも一方で、この歌を作るということは、恋をしている喜びを誰かに伝えたいという気持ちが、どこかにあるからではないでしょうか。
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