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｢上野誠の万葉歌ごよみ｣ |
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| 【2022年6月25日 放送分】 |
2022年6月25日 |
【巻】…1・35
【歌】…これやこの 大和にしてはわが恋ふる 紀路（きぢ）にありとふ名に負ふ背の山
【訳】…これがなんとまあ、大和にいて私が恋しく思っていた、紀路にあるという有名な背の山なんですね
【解】…阿閉皇子（のちの元明天皇）が、紀伊国（現在の和歌山）への旅の道中、大和国との境にある勢能山を越える時に作った歌。「これやこの」は、以前からよく知っていたものを実際に見た時の感嘆を表すフレーズで、今風に言えば「これがあの有名な！」という感じでしょうか。阿閉皇子は、大和国にいる時から背の山に心ひかれていたようで、その姿を目の当たりにした感動を歌にしたのでしょう。背は古代では恋人のことを指す言葉でもありますから、恋人への思いも歌に重ねているのかもしれません。
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