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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2022年9月17日 放送分】 |
2022年9月17日 |
【巻】…3・248
【歌】…隼人(はやひと)の薩摩(さつま)の瀬戸(せと)を 雲居なす遠くもわれは今日見つるかも
【訳】…隼人の薩摩の瀬戸を、雲はるか遠くを見るように私は今日眺めることができたぞ
【解】…薩摩の瀬戸とは、現在の鹿児島県長島町と阿久根市の間にある海峡・黒之瀬戸のことで、日本三大急潮のひとつとされています。歌の作者の長田王は、大宰府に役人として赴任した後、仕事で九州をまわる行程の中で、薩摩の瀬戸を初めて訪れたようです。古代の旅は、交通が発達していなかったので、危険と隣り合わせのつらいものでしたが、そんな中でも、多くの人が「行ってみたい!」という名所がいくつかあり、薩摩の瀬戸もそのひとつでした。長田王は、船旅ではるばるこの場所に来て歌を作った訳ですが、「雲居なす遠くもわれは今日見つるかも」の部分に、あこがれの風景を初めて目にした感動がこめられています。
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