第1202回「25年を語る①~亡くなった姉への思いを歌に」
ゲスト:シンガー・ソングライター 作人さん

来年1月17日で、阪神・淡路大震災25年。番組ではシリーズ「25年を語る」を始めます。1回目は、震災で姉を亡くしたシンガー・ソングライター作人さん(35歳)です。
作人さんは小学校4年生のとき、神戸市東灘区で被災。2階建ての家の壁が崩れ、天井が落ちてきて、自身は自力ではい出しましたが、7歳上の姉が亡くなりました。きょうだいの面倒をよくみる優しい姉で、学校の先生を目指していました。その後、両親は離婚し、家族はバラバラになりました。
作人さん自身は、高校卒業後、音楽活動を始めますが、生活が安定せず、ホームレスのような時期もありました。「これではいけない」と姉の墓に参り、「Dear Sister」を作曲。姉や家族への思いを歌い続け、現在は震災の語り部として、子どもたちに自分の経験と日々の暮らしの大切さを伝える活動もしています。作人さんの25年の思いを聞きます。

西村愛のひとこと
当時10歳だった作人さん。阪神淡路大震災の発生から25 年を前に、今思うことは「姉や亡くなった方々はぼくらに生命を託してくれたのかもしれない。だからこそ、今を生きることの大切さを歌で伝えたい」と話してくれました。「ぼくにとって復興のシンボル」と語る神戸国際会館でのワンマンライブ。あなたも、ぜひ!

第1201回「台風19号から1か月~水害多発地域をどう復興するか」
取材報告:千葉猛キャスター

台風19号で吉田川の堤防が決壊し、大きな被害が出た宮城県大郷町の中粕川地区。住民の防災意識の高さと迅速な避難により、犠牲者は出ませんでしたが、今回堤防が決壊した部分は、何年も前から住民が「周囲より低い」と国土交通省に指摘し、対策を求めていた場所でした。しかし、本格的なかさ上げ工事は行われないままでした。なぜなのでしょうか。国土交通省に取材しました。
この地区は、1986年と2015年にも水害に見舞われています。大雨のたびに心配しなくてはならない地区の復興を、どう進めていけばよいのでしょうか。大郷町と住民の懇談会が、先月26日に開かれました。そこで町側から復興試案として示されたのが「集団移転」でした。水害の被害を受けやすい現在の場所で集落を復興させていくのか、はたまた集団移転か。住民は決断を迫られています。これは全国に多数存在する「水害多発地域」に共通する課題です。先週に続いて、千葉猛キャスターの被災地取材リポートです。
 
千葉猛のひとこと
普段の姿に戻った吉田川は穏やかで、あの大水害を起こしたとは信じられないほどでした。水害多発地帯の復興はどうしていくべきなのでしょうか。中粕川だけの問題ではありません。全国至るところに同じ悩みを抱える地域があります。ぜひ番組をお聞きのあなたも自分のこととして考えてくださいませんか。

第1200回「台風19号水害...避難した理由、しなかった理由」
取材報告:千葉猛キャスター

台風19号で、宮城県大郷町では、町の中央を流れる吉田川の堤防が決壊し、100戸以上の家々が浸水、約40戸が全壊の判定を受けました。しかし、早い段階でほとんどの住民が避難行動を開始し、一人の犠牲者も出しませんでした。行政の避難指示や勧告が出ても避難を始めない人が多いことが全国的な課題となっているいま、大郷町ではなぜ速やかな避難ができたのでしょうか。千葉猛キャスターが現地で取材したところ、これまでの浸水被害の経験から、自主防災組織がしっかりしていて、避難訓練や声かけが徹底していたことがわかりました。
それでも、課題は残っています。多くの人が避難する中、自宅に残り、ヘリコプターなどで救出された人もいたからです。彼らは、避難しなかった理由について、「飼い猫を置き去りにできない」「家に残してきた犬が心配になって家に戻った」などと話しました。ペットを飼っている人が適切なタイミングで避難するには、どうすればいいのでしょうか。現地取材で浮かび上がってきた課題を考えます。


番組で紹介した
3.11福島原発事故による影響から子どもたちを守る
「応援カレンダー」(1部1000円)の購入や原画展の情報です。

https://12ehoncalendar.com/
 

西村愛のひとこと
地域の自主防災組織での避難訓練や声かけ、さまざまな対策があったからこそ、一人も犠牲者を出さなかった大郷町。でも、ペットとの避難は課題だという話が。一緒に避難できる場所や避難の方法、早急に考え、解決しなければいけないことだなと実感しました。

第1199回「台風19号~千曲川流域の被災地は」
ゲスト:被災地NGO恊働センター代表 頼政良太さん

台風19号では、長野県を流れる千曲川の堤防が決壊し、広範囲が浸水しました。長野市では、最大4.3メートルの深さの浸水があったとみられます。被災地NGO恊働センター代表の頼政良太さんは、今月15日から、長野市やその周辺の町に、支援に入っています。堤防決壊による水の勢いで家が流されてしまったり、1階が天井まで浸水し家じゅうが泥に覆われていたりして、現地に入ると改めて被害の大きさに驚くといいます。
家財についた泥を取り除き、廃棄物を処分し、床をはがして掃除し、乾燥・消毒するという気の遠くなるような作業が必要になります。避難所でも、トイレの整備や段ボールベッドの導入など、環境改善が必要ですが、ボランティアは全く足りていません。
被災地NGO恊働センターでは、長野の周辺からボランティアを乗せて支援に向かう「おたがいさまバス」を走らせることを決め、そのための寄付を募集しています。被災者の生活再建のために、一人でも多くの人が支援に入らなければなりません。長野県の被災地の状況と必要な支援について、頼政さんに聞きます。
 
 
「おたがいさまバス」寄付の振り込み先
 
郵便振替 
口座番号:01180-6-68556
加入者名:被災地NGO恊働センター
※備考欄に「2019年台風19号」とお書きください
 
被災地NGO恊働センター
http://ngo-kyodo.org/
 
 
千葉猛のひとこと
長野の被災地でいま一番必要なのは「人手」なんですね。洪水でドロドロの家の片づけが終わらないと生活の再建はできません。片付けの力仕事以外にも、ボランティアができることはたくさんあるということです。長野に観光メインで旅行に行き、そのうち1日、ボランティア参加するのもいいかもしれません。

第1198回「台風19号の被害拡大~茨城県水戸市を取材」
取材報告:新川 和賀子ディレクター

先週12日に東日本や東北地方を襲った台風19号の被害の全容は、まだ把握できていません。死者は70人を超え、行方不明者の捜索が続いています。64河川の111か所で堤防が決壊し、浸水面積は去年の西日本豪雨を上回ります。
茨城県水戸市では、那珂川とその支流が氾濫し、沿岸の広い地域が浸水しました。国土地理院の分析によると、常磐自動車道水戸北IC付近で最大7メートルを超える浸水深だったと見られています。水戸市では1986年にも洪水が起きています。近くに住む70代の男性は、上流の水位をインターネットのライブカメラで確認しながら備えていましたが、避難する際には膝上まで浸水していました。「5分くらいで水が来て、逃げるのが精いっぱいだった。以前の洪水の時よりも水の流れが速く、身の危険を感じた」と話します。男性の妻は避難の際に転倒して、膝を骨折しました。台風19号の被害と当時の状況について、水戸市の被災地を取材した番組ディレクターが報告します。
 
JNN・JRN「台風19号災害義援金」

三井住友銀行 赤坂支店
口座番号: (普) 9554894
口座名:「JNN・JRN共同災害募金」

お寄せいただいた義援金は、全額、日本赤十字社を通じて被災地に送られます。


西村愛のひとこと
33年前の那珂川の氾濫の経験を活かし、水害への意識が高い水戸市の方々。家をかさ上げしたり、那珂川の下流にある水戸市が氾濫危険水位になる時間を計算して備えたり。それでも那珂川より先に支流が溢れて、家が瞬く間に浸水。何が起こるかわからない。早めの避難が大切なんだなと改めて実感しました。

第1197回「食物アレルギーと災害」
ゲスト:LFA 食物アレルギーと共に生きる会 代表 大森真友子さん

大災害が発生すると普段食べている物が手に入りにくくなります。食物アレルギーを持つ人にとっては、口にできる食べ物がほとんど手に入らないこともあり命に関わる問題です。
 大阪にある食物アレルギーの患者会「LFA食物アレルギーと共に生きる会」(以下、LFA)は今年5月、「アレルギーっ子ママが考えた防災ハンドブック」を発行しました。キッカケは、昨年7月の西日本豪雨で、交流のあった広島の患者会からSNSで寄せられた「市はアレルギー対応食品を備蓄していないようで、個人の備蓄も底をつきそうです」という声。LFA代表の大森真友子さんは、西日本各地の患者会と協力して、被災地にアレルギー対応食品を送りました。危機感を感じた大森さんたちは、被災者の体験談を集めてハンドブックにまとめました。ハンドブックには、災害に対して自らできる備えに加え、「炊き出しでは使った食材を全部貼りだしてください」といった、避難所で必要な対応も書かれています。
全人口の1~2%(乳幼児は約10%)が何らかの食物アレルギーを持っていると考えられる現在。大森真友子さんをゲストに迎え、食物アレルギーと災害をめぐる実体験や対策について聞きます。
 

「アレルギーっ子ママが考えた防災ハンドブック」(LFA 食物アレルギーと共に生きる会)
http://lfajp.com/_src/2273/LFA_bousai_mihiraki20190530.pdf

千葉猛のひとこと
大森さんのお話で「食物アレルギー」のある人にとって避難所の食事の材料に何が使われているのかは、命にかかわる重要な情報だとわかりました。その情報を知りたいと思うのはわがままや好き嫌いではありません。災害時の食事は文字通り「死活問題」です。社会全体の理解が速やかに進むことを願います。

第1196回「台風被害のお金と備え」
ゲスト:ファイナンシャルプランナー 清水香さん

先月、台風15号が直撃した千葉県では、2万棟を超える住宅が被害を受けました。停電や断水が長期に及び、被害の実態把握が遅れたため、生活再建にも遅れが生じています。台風で住宅などに被害を受けたら、まず何をすればよいのでしょうか。
被災直後は、取り急ぎの修理と並行して、被害状況を写真に残すことが大切です。また、現金給付・減税などの被災者支援を受けるためには、「罹災証明書」が欠かせません。被害を証明することが、支援を受ける手続きの第一歩となります。
ただ、台風15号では、被害を受けた住宅のほとんどが「一部損壊」です。被害を証明しても、「一部損壊」では「被災者生活再建支援法」など公的支援の対象になりません。今回は、国が特例として工事費の一部を負担する措置を取りましたが、昨年の大阪北部地震と対応が異なることに対して不満の声も上がっていて、ルールづくりが求められています。
公的支援があまり期待できない現状で、頼りになるのは火災保険です。台風が来る前の「事前の備え」として、「火災保険」の補償に「風災」が入っているかに加え、「補償金額」も合わせて確認する必要があります。
台風に備えて、お金の面でどのような対策が必要なのでしょうか。災害と生活再建の問題に詳しい、ファイナンシャルプランナーで社会福祉士の清水香さんに聞きます。

西村愛のひとこと
台風で被災した直後、私ならきっと不安になり冷静でいられないかと思います。でも、そんな時こそ清水さんのアドバイスが心強い!まず、さまざまな角度から「被害状況を写真に残す」「罹災証明の調査に対して再調査の依頼ができる」さらに「事前に火災保険の確認を」清水さんの著書もわかりやすいですよ!

第1195回「「道の駅」を防災拠点に」
電話:宮崎大学 地域資源創成学部教授 熊野 稔さん

ドライバーの休憩場所や地域の情報発信を担う「道の駅」は現在、全国で1160か所あります。この「道の駅」を防災の拠点として整備しようという動きが進んでいます。幹線道路に面した広い敷地に、24時間利用できる駐車場とトイレがあり、入浴施設や発電設備、宿泊設備を備えているところも多いからです。

15年前の新潟県中越地震では、車で移動していた被災者が道の駅で避難生活を送り、敷地内に仮設住宅も建てられました。熊本地震では、被災地に向かう自衛隊の前線基地として利用されました。台風15号で大きな被害を受けた千葉県鋸南町の道の駅「保田小学校」は今週、仮設店舗で直売所の営業を再開し、住民を支えています。

さらに防災機能を高めるためには、国や自治体の防災計画の中にきちんと位置づけ、備蓄などのための予算措置が必要になります。「道の駅」と防災について研究している宮崎大学地域資源創成学部の熊野稔教授に話を聞きます。
 
 
JNN・JRN「令和元年台風第15号千葉県災害募金」
 
三井住友銀行 赤坂支店
口座番号: (普) 9464846
口座名:「JNN・JRN共同災害募金」
 
お寄せいただいた義援金は、全額、日本赤十字社を通じて被災地に送られます。
  
千葉猛のひとこと
51歳で普通自動二輪免許を取得したおやじライダーの私は、いま250CCバイクに乗っております。結構遠くまで走るのですが、地理不案内な地で、もし大災害にあったらどこへ避難するかが悩みでした。わかりやすい場所にある「道の駅」が避難場所になれば安心できます。早く整備を進めてほしいです。

第1194回「台風15号~千葉県・房総半島のいま」
電話:千葉県鋸南町在住 豊島まゆみさん

関東各地に大きな爪痕を残した台風15号。暴風によって千葉県君津市にある東京電力の鉄塔2基が倒壊し、東電管内では最大約934,900軒が停電しました。台風上陸から2週間近く経った今も、停電が解消していない地域があります。
房総半島の山間地区では倒木の影響などもあり、自治体による被害状況の把握が遅れました。千葉県鋸南町に住む豊島まゆみさんは、車に支援物資を載せて被災地を回り、知人や高齢者宅などの安否確認を行っています。断水のため数日間風呂に入れず、懐中電灯の明かりだけで生活していた老夫婦にも遭遇しました。長期間にわたって停電がつづき、被災者にはかなりの疲れが見えてきているといいます。多くの家屋が損壊し、今後の生活にも不安がつのります。
番組では、豊島まゆみさんと電話をつないで被災地の現状を聞きます。

西村愛のひとこと
鋸南町の豊島さん宅では、窓ガラスが割れた場所から瓦が手裏剣のように飛んできたとのお話にびっくり!窓の対策は必須ですね。鴨川シーワールドは、すでに通常営業。交通網も復旧している。「気にかけていただいて、来ていただけるのが一番の願い」という言葉が深く響きました。

第1193回「台風21号から1年~高潮のリスク」
ゲスト:大阪大学大学院工学研究科 教授 青木伸一さん

全国で大雨や台風の被害が続いています。わたしたちの住む近畿地方では、昨年の9月4日に上陸した台風21号で甚大な被害を受けました。特に市民レベルでの警戒意識が低かったのが「高潮」です。大阪港や神戸港では第二室戸台風を超える過去最高の潮位を記録し、コンテナが海に流出するなど、経済活動にも大きな影響が出ました。
高潮対策の必要性が叫ばれる中、兵庫県が発表した「想定し得る最大規模の高潮による高潮浸水想定区域図」に注目が集まっています。500年~4千年に一度クラスの台風が潮位の最も高いタイミングで上陸し、堤防等が破壊されるなど、最悪のケースが想定され、尼崎市では市域の4分の3が浸水するとされています。
高潮リスクとはどんなものなのか?今後、必要な対策はなにか?海岸工学が専門の大阪大学大学院工学研究科・青木伸一教授をゲストに迎え、お話を聞きます。
 
千葉猛のひとこと
新しい「高潮浸水想定」命を守るためには起こりうる最悪のケースに備える心構えが大切です。台風は地震や津波のように突然襲ってくるものではなく、数日前から予想できます。あらかじめ備えておく「事前防災」が重要だと感じました。何をどう備えるか、普段から「その時」を想像し考えておきましょう。