第1237回「各地で豪雨~九州南部の被災地はいま」
電話:NPO法人「ピースプロジェクト」代表 加藤勉さん

停滞する梅雨前線の影響で、全国各地で記録的な豪雨が続いています。九州南部では4日未明からの大雨で、熊本県を流れる一級河川の球磨川が氾濫。土砂崩れも多数発生しました。
世界の難民や災害被災地支援の経験をもつNPO法人「ピースプロジェクト」代表の加藤勉さんは、5日から熊本県八代市に支援に入りました。八代市内では球磨川にかかる鉄橋が流出し、孤立集落も発生するなど大きな被害が出ています。加藤さんは、八代市内の避難所で炊き出しを行っています。新型コロナウイルスの感染が心配される中、炊き出しの料理はテーブルに並べて避難者自身に配膳を任せるなど、接触を控えているといいます。本来であれば会話をしながらのケアも支援活動の一部ですが、それもままならない状況です。
現地で活動をつづける加藤さんと電話をつなぎ、被災地の現状を聞きます。
 
(番組内容は予告なく変更する場合があります)

第1236回「西日本豪雨2年~高齢者の水害避難」
電話:小規模多機能ホーム「ぶどうの家真備」代表 津田由起子さん

全国で大きな被害が出た西日本豪雨から、まもなく2年です。岡山県倉敷市真備町では、51人が犠牲になり、その8割は70歳以上の高齢者でした。自宅の1階で亡くなっている人が多く、避難が遅れたことがわかります。
高齢者の生活を訪問・通所サービスなどで支える小規模多機能ホーム「ぶどうの家真備」の代表を務める津田由起子さんは、西日本豪雨のとき、職員とともに利用者の自宅をまわって避難を呼びかけ、避難所に送り届けました。しかし、救助できずに亡くなった人もいました。認知症で耳が不自由な、一人暮らしの80代の女性でした。
真備町は浸水想定区域が広く、歩いて行ける範囲内に避難所がない人もいます。認知症や体が不自由な高齢者は、避難をためらいがちです。二度と同じ被害を繰り返さないために、津田さんが企画したのが「避難機能付き共同住宅」でした。2階建ての賃貸アパートで、2階に交流スペースがあり、そこに車いすでも避難できるようスロープをつけました。先月、開所式が行われ、居住部分7室の入居も始まっています。
津田さんはさらに、高齢者の個別の避難計画づくりも進めています。どんなタイミングで、どこに、だれと一緒に避難するのか、近所の人と話し合って、具体的に決めるのです。新型コロナウイルスの感染を防ぐ「分散避難」も、新たな課題です。どうすれば水害から高齢者の命を守れるのか、津田さんが真備町で進める取り組みについて話を聞きます。

きょうのポイント
●高齢者の避難が遅れる理由は「体が不自由」「認知症」「避難所が遠い」「ほかの避難者に迷惑をかけたくない」など。
●自宅の浸水の可能性を平時に確認し、どの段階で、だれと、どこにどのように避難するか考えておくことが大切。
●車いす利用者など体の不自由な人が使えるスロープのついた「避難機能付き共同住宅」を企画した。
●高齢者ひとりひとりのために、「マイタイムライン」を使った個別避難計画を作成し、近所の人や福祉事業所の役割を明確にするとよい。
●感染防止のため、仮設住宅の空き部屋や、共同住宅の居住スペースを避難場所にすることもできる。

千葉猛のひとこと
津波避難の時に民間の高いビルを「津波避難ビル」として生かすのと同じように、水害に向けて、いざというとき避難所となりうる設備を持った建物をつくるというアイディアや、既にある仮設住宅を避難所に活用するという発想は目からウロコでした。避難する場所が多くなればコロナ対策にもなりますものね。

第1235回「躊躇せずに"避難"を~コロナ禍の水害避難を考える」
取材報告:番組ディレクター 新川和賀子

梅雨も中盤にさしかかり、各地で大雨が降っています。ここ数年は毎年のように大雨による災害が発生していますが、今年はさらに新型コロナウイルスのまん延という状況が加わります。災害の危険が迫った人が感染を恐れるあまりに避難を躊躇することも考えられ、懸念の声があがっています。
日本災害情報学会は、先月、「避難に関する提言」を発表しました。提言の中では、「避難」とは、避難所に行くことだけではなく「難を避ける」行動のことで、避難所以外の親戚・知人宅やホテルなどへの分散避難も選択肢に入れて行動を考えることなどが呼びかけられています。避難行動のひとつの指標となるのが地域のハザードマップで、あらかじめ、自宅や知人宅等の安全性を確認しておくことが重要です。
番組では、日本災害情報学会長の片田敏孝さんのインタビューを交えて、ハザードマップを用いながら、水害の避難について考えます。


日本災害情報学会「避難に関する提言」
http://www.jasdis.gr.jp/_src/JASDIS_Proposal20200515-1.pdf

内閣府(防災担当)・消防庁「避難行動判定フロー」
http://www.bousai.go.jp/pdf/colonapoint.pdf

国土交通省「ハザードマップポータルサイト」
https://disaportal.gsi.go.jp/

きょうのポイント
●コロナ感染を恐れるあまりに災害の避難をためらう恐れがある。感染症と自然災害のどちらにも対処する必要がある。
●避難とは「難を避けること」避難所に行くことだけが避難ではない。
●避難所以外の避難「分散避難」も考える。(例:在宅避難、親戚・知人宅への避難、ホテル等への避難)
●ハザードマップで自宅や知人宅の災害想定を確認しておく。
●大雨の警戒レベルや避難情報を理解しておく。
●ハザードマップや避難情報も絶対ではない。危機を感じたら行動にうつす。

千葉猛のひとこと
お住まいの地域の「ハザードマップ」ご覧いただけましたでしょうか。自治体ごとにいろんな形のものがあって興味深いですよ。私の住む自治体のものは、防災情報のほかに地元のお店の広告も載っていて、大変読みやすいものでした。マップをお持ちでない方はぜひ役所に問い合わせて入手してくださいね。

第1234回「新型コロナと防災~視覚障がい者の避難」
ゲスト:落語家 桂福点さん

新型コロナウイルス感染への不安が広がる中、視覚障害者の番組リスナーから、メールが届きました。「避難所へ移動する場合、だれかのガイドがないと行けません。ほかの人と2メートルの距離をとらなければならないとしたら、私はどうして移動すればよいのでしょう」という内容でした。視覚障がい者は、壁や手すりを触って確認しながら移動したり、援護者のひじを持って歩行したりします。人や物に触れることが制限されれば、生活は非常に困難になります。
全盲の落語家・桂福点さんは、コロナ禍で視覚障がい者の直面する不安を「私を検査に連れてって」という小咄にして、動画で発信しました。発熱したらだれが医療機関に連れて行ってくれるのか、どうすれば感染リスクを下げることができるのか、さまざまな問題を笑いに変えて伝えています。新聞紙を丸めて2本の棒を作り、「電車ごっこ」のようにすれば、ガイドする人との距離を確保できるなど、ユニークな提案もしています。災害時、感染を防止しながら視覚障がい者が避難するにはどうすればよいか、桂福点さんと一緒に考えます。
 
きょうのポイント
●新型コロナウイルス感染拡大で、視覚障がい者の移動を支援するガイドヘルパーや、困っているときに声をかけてくれる人が減った。
●発熱時、だれが病院に連れて行ってくれるのかが深刻な問題。
●新聞紙を丸めて棒を2本つくり、前にヘルパー、うしろに視覚障がい者で、電車ごっこのようにすると、距離をとりながら誘導できる。使用後、廃棄もしやすい。
●障がい者の生活は接触してコミュニケーションをとることで成り立っている。ソーシャル・ディスタンスは、人間関係を奪うことになる。
●点字のハザードマップが配布されないのは問題。点字ができない視覚障がい者も増えているので、行政はあらゆる手段を使って情報提供する必要がある。
●行政と福祉事業所がタイアップして、地域のどこに障がい者が暮らしているか把握し、支援者を決めておくべき。
●バリアフリーで障がい者支援のスタッフがいる一次避難所を整備すべき。
●行政は障がい者の日常生活を見てほしい。
 
千葉猛のひとこと
桂福点さんとお会いできて、スタジオはとても楽しかったです。いつも笑いに包まれていました。難しい問題点を面白く興味深くお話できる話術の巧みさは、さすが落語家さんですね。しかし、今すぐにも改善すべき視覚障がい者の方を取り巻く環境は、災害発生時の避難所の問題だけではないことを痛感しました。

第1233回「避難所を過密にしないために〜マンション住民の避難は?」
電話:災害対策研究会主任研究員 釜石徹さん

大阪市内では、約7割の世帯が集合住宅に住んでいます。大地震や水害が起きた際、マンションの住民はどう行動すればよいのでしょうか。
都市部ではもともと、災害時の避難所不足が深刻ですが、新型コロナウイルス感染防止対策で間隔を保つことが求められ、さらにスペースが不足するおそれがあります。「マンション防災士」として活動する釜石徹さんは、「避難所は古い木造住宅など、住む場所を失う恐れがある人が優先。耐震基準を満たしたマンションの住民は在宅避難が前提です」と話します。その上で、マンション住民は災害時に10日間、自宅に留まれるように備えておくことが必要だといいます。
一昨年、近畿地方に大きな被害をもたらした台風21号では、関西電力管内の停電解消に2週間以上かかりました。長期間の在宅避難を想定して、マンションの住民が備えておけることは何か。釜石さんに電話をつないでお話を聞きます。

きょうのポイント
●避難所の収容人数は都市部では人口の1~2割程度。鉄筋コンクリート造のマンション住民は在宅避難が基本。
●食料、水、トイレを10日分準備。
●災害用の特別食は備蓄せず、日常食べている物を多めに買い置きして無理なく備える。
●管理組合では備蓄せず、個々の家庭で備える
●携帯用トイレは臭い対策必須。医療用防臭袋の備えを。
●災害時に小便をトイレに流せるよう、配管チェックの訓練を行う。
●エレベーター保守会社に要請して閉じ込め救出訓練を行う。
●住民らでマンションの被害想定を行って、必要なことを考える。
●家庭の防災力を高める。そのために防災対策を教え合う。
 
千葉猛のひとこと
避難所の定員が極めて少ないのにびっくりしました。地域住民みんなは収容できないのですよ。頑丈なマンションは「在宅避難」できます。マンション生活だと、ついなんでも管理会社、管理組合任せに考えがちですが、防災関係はさにあらず。自分で意識を持ってやっておくべきことがいくつもあるのですね。

第1232回「新型コロナで注目される『やさしい日本語』」
取材報告:番組プロデューサー 亘佐和子

新型コロナウイルスの影響が広がる中、「やさしい日本語」への関心が高まっています。「やさしい日本語」は、日本語に慣れていない外国人に対して日本語で話をするときに使う言葉です。1995年の阪神・淡路大震災で、外国人に避難情報などが伝わらなかった教訓から生まれました。
文を短くする、漢語はなるべく使わず簡単な和語を使う、漢字にはふりがなをつけるなど、わかりやすい伝え方を工夫します。たとえば、「感染する」は「うつる」や「病気になる」と言い換え、「外出自粛」は「外に出ないでください」や「家にいてください」という言葉にします。「避難所」は「みんなが逃げるところ」というような表現に変えます。
日本に住む外国人は現在293万人で、人口の2.3%を占めます。ベトナム、ネパール、ミャンマー、インドネシアなど国籍・地域数は190を超え、英語よりも日本語のほうが得意だという人が多いのです。番組プロデューサーが、「やさしい日本語 多文化共生社会へ」の著者である一橋大学国際教育交流センターの庵功雄教授を取材し、報告します。
 
きょうのポイント
●「やさしい日本語」は、まだあまり日本語ができない外国人に対して日本語で話をするときの言葉づかい。
●1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに生まれた。
●特徴は「漢語をできるだけ使わず和語を使う」「一文を短くする」「漢字にフリガナをふる」など。
●「やさしい日本語」の正解はひとつではない。
●日本在住の外国人の8割は日本語を使える。母語以外でわかる言葉は「英語」より「日本語」という人が多い。
●「相手のことを理解したい」「自分の言いたいことを伝えたい」という気持ちが大切。相手の気持ちを考えて伝え方を工夫する。
  
千葉猛のひとこと
学生時代に中国に行ったときに旨い麻婆豆腐の店でお酒飲んで、ぐだくだと長居していたら、店のおばちゃんが中国語で何やら大声で言いながら私たちのテーブルを拭き始めました。「もう帰りなさいよ」と言っていることは私にもわかりました。大切なのは「なんとしても相手に伝えようとする意志」ですね。

第1231回「感染症まん延の夏~熱中症対策は」
電話:済生会横浜市東部病院 患者支援センター長
   「教えて!『かくれ脱水』委員会」副委員長 医師 谷口英喜さん

全国で最高気温が夏日を記録する日が増えてきました。新型コロナウイルス感染予防でマスク着用を求められる中、初めての夏を迎えます。これからの季節で心配されるのが熱中症ですが、感染予防を行いながらの熱中症対策とはどのようなものなのでしょうか。
 今月26日、厚生労働省は「新しい生活様式」における熱中症予防策を公表しました。予防策では、気温と湿度が高い中でマスクをつけると熱中症の恐れが高まるとして、屋外で人と2メートル以上の距離が確保できる場合は、マスクを外すよう促しています。また、熱中症予防を呼びかける医療専門家団体『教えて!「かくれ脱水」委員会』は、今月1日に緊急提言を発表。熱中症の搬送者が例年なみの人数になると医療現場が崩壊する恐れがあることから、ひとりひとりができる熱中症予防対策を示し、実践を呼びかけています。
 外出自粛がつづいて多くの人の体力がおち、体が暑さに慣れていない状態であることから、今年は例年以上に熱中症に注意が必要です。番組では、『教えて!「かくれ脱水」委員会』副委員長で済生会横浜市東部病院・患者支援センター長の谷口英喜さんに電話をつなぎ、今夏の熱中症対策についてお話をうかがいます。

『教えて!「かくれ脱水」委員会』
https://www.kakuredassui.jp/
 
きょうのポイント
●例年通りの熱中症患者が搬送されると、医療現場が崩壊する恐れがある。
(昨年の搬送者は7万人以上)
●コロナと熱中症の症状は似ていて、見極めに時間を要する。
●外出自粛が続いて、暑さに体が慣れていないうえ、体に水分を蓄える筋肉の量が減っているため、熱中症のリスクが高まっている。
●暑い屋外でマスクをつけていると、湿気がこもり熱源ができて危険。人と距離を保ってマスクをはずす。
●熱中症予防には、3度の食事とこまめな水分補給を。食事から1500ミリリットル、水分で1500ミリリットル摂取して、1日約3000ミリリットルの水分摂取を目標に。
●水分摂取は屋内なら1時間に1回、屋外で活動する時は30分に1回を目安に。
●水分摂取は、水やお茶でよい。スポーツドリンクは糖分が多いので注意。アルコールは、逆に脱水になりやすい。脱水が疑われる時は「経口補水液」を。
●エアコンで温度と湿気の調節を。
●体が熱い時は、太い血管のある首の左右、脇の下、足の付け根を冷やすと体温が下がる。
●環境省発表の「暑さ指数」を、夏場の行動指標にする。
●熱中症は各々が対策をすれば防げる。
  
千葉猛のひとこと
1日3回、規則正しく食事をとることが熱中症の予防につながるというお話は、目からウロコでした。マスクも屋外で他の人と一定の距離が保てる場合は、はずしても大丈夫。「経口補水液」も買っておくつもりです。熱中症にならないように私たちが充分に気をつけることで、医療崩壊を防げるのですものね。

第1230回「新型コロナウイルス 避難生活お役立ちサポートブック」
ゲスト:認定NPO法人 全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)
避難生活改善に関する専門委員会 浦野愛さん

新型コロナウイルスがまん延する中で避難所を開設する際の参考になる冊子「新型コロナウイルス 避難生活お役立ちサポートブック」が完成しました。「認定NPO法人 全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」の「避難生活改善に関する専門委員会」がまとめたもので、全国各地の被災地で避難所運営にたずさわってきたメンバーならではの実践的なアドバイスが、たくさん掲載されています。
たとえば、断水していたり、石鹸や消毒液がなかったりしても、ペットボトルの水で指先を洗う、ウエットティッシュを使う、あるいは食べ物を包装やラップフィルムの上からつかむなど、さまざまな感染防止の工夫ができるといいます。また、感染者やその濃厚接触者、発熱などの症状のある人も、その場で受け入れ拒否するのではなく、なるべく早く医療機関や宿泊療養施設に移送できるよう支援を依頼しながら、個別の部屋を用意して暫定的に受け入れ、一般の避難者との接触がないようゾーン分けをすることなどを求めています。
感染の懸念がある状況では、外部からの支援者が被災地に行きにくくなるので、その場にいて動ける人で対処することが必要です。「たいへんだけれど、感染防止のポイントはある程度明確になっているので、この冊子に書かれていることを一つでも実践できる人を、地域の中に増やしてほしい」と話すJVOAD専門委員の浦野愛さんに、電話で話を聞きます。
 
●「新型コロナウイルス 避難生活お役立ちサポートブック」
http://jvoad.jp/wp-content/uploads/2020/05/acaeac91791746611926b34af7d61c4d.pdf
 
きょうのポイント
●コロナ禍での災害は、ボランティアや医療支援者がすぐに避難所にかけつけられない可能性も。
地元行政や住民が協力して乗り切る。
●断水や物資不足で十分に手洗いができなくても、ラップを使うなど、その場にある物で工夫して感染予防対策を行う
●食器や洗面用具などは他の人と共有しない
●携帯電話などの端末は、ビニルなどの密閉袋に入れて使用し、袋を消毒する
●使い捨て容器、ラップ、ポリ袋等は非常袋に準備しておく
●感染者、症状のある人、濃厚接触者、症状のない人のゾーン分けを行う
●感染者や症状のある人も拒否せず、次の受け入れ先を探すなどの対処を
●感染防止のポイントを知っていれば、できることは多い
●アイデアの引き出しを増やして、各々が避難所で命を守る

千葉猛のひとこと
細かい図入りで書かれている「新型コロナウイルス避難生活お役立ちサポートブック」外国の方向けの電話相談番号も載っていますし「ハンカチ折るだけマスク」の作り方もあります。「次亜塩素酸ってなに」という項目もあります。読みやすいので、ぜひダウンロードしてお使いくださいね。

第1229回「ネットワーク1・17スペシャル~新型コロナと防災」
ゲスト:兵庫県立大学 減災復興政策研究科 教授 室崎益輝さん

番組ではこれまで、新型コロナウイルスの感染拡大と災害避難について、シリーズで伝えてきました。その内容を再構成し、ゲストに兵庫県立大学減災復興政策研究科教授の室崎益輝さんを迎えて、5月23日(土)よる7時~9時に、特別番組「ネットワーク1・17スペシャル~新型コロナと防災」を放送します。
感染防止のために考えられる避難の選択肢としては、①少人数で広く使えて個別空間のある避難所、②在宅避難、③テント避難、④車中泊、⑤疎開避難(知人・親戚宅やホテルなど)が考えられます。少人数で広く使える避難所をつくるためには、避難所に行かずに生活できる人は、なるべくそれでがんばってもらう必要があります。
特別番組では、コロナ禍で避難所を開設した自治体の経験を踏まえ、感染防止のためにできる消毒の仕方、役に立つ物品などを紹介します。また、在宅避難や車中泊のために必要な備えについて考えます。多くの専門家が指摘したのは、「携帯トイレ」を備蓄しておくこと、そして災害に備えてそれを使ってみることの大切さでした。さらに、外出自粛で生じる不安や恐怖、怒りなどの心の問題は、災害時と非常によく似ていて、それをどう受け止めて生きていくか、災害精神医学の専門家からのアドバイスも、番組の中でお伝えします。
24日(日)の通常放送では、「新型コロナウイルス 避難生活お役立ちサポートブック」を発表した「認定NPO法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」専門委員の浦野愛さんに、避難所での感染防止のためにだれでもできるさまざまな工夫を聞きます。

千葉猛のひとこと
私たちはいまコロナウィルスまん延のさなかにいます。「避難所」に対する考え方の変革は決して将来の課題などではなく、ただちに取り組み前進させるべき問題であることを痛感します。番組中にリスナーの方からいただいたメッセージの、コロナによって浮き出た「差別の不安」への思いが鋭く心に刺さりました。

第1228回「巣ごもりの今、在宅避難の訓練を」
電話:株式会社 危機管理教育研究所 代表 国崎信江さん

新型コロナウイルスの感染が広がる中、災害が起きると、密集した避難所では感染リスクがあるため「在宅避難」が選択肢のひとつになると考えられます。日本列島は出水期を間近に控え、対策は喫緊の課題です。コロナ禍におけるさらなる災害を想定して、自宅ではどんな備えをしておけばよいのでしょうか。
 危機管理アドバイザーの国崎信江さんが提唱しているのが『おうちDEキャンプ』。ある一定時間、電気・水道・ガスなどのライフラインを使わずに自宅で過ごし、被災の疑似体験をするという取り組みです。カセットコンロを使った調理、携帯用トイレでの排泄、暗闇の中での雑魚寝などを体験してみると、必要な防災用品の見直しや使い方の確認ができます。何より災害に対しての心構えができるといいます。
なかなか外出できない今は、自宅の防災対策を見直すのに最適な時間です。番組では、国崎信江さんに電話をつないで『おうちDEキャンプ』の実践法や大切な確認点を聞き、自宅の防災対策を考えます。

 きょうのポイント
●在宅避難に備えて「耐震性チェックリスト」で、耐震性の簡易チェックを行う
●家具の固定を確認する
●一定時間ライフラインを全て止めて自宅で過ごす「おうちDEキャンプ」を実践
●携帯用トイレを使ってみる
●カセットコンロで調理
・具材を選ばない「鍋料理」がおすすめ
・調理用水を節約できる豆乳鍋は、カレー粉や味噌で味の変化もつけられる
・調理用ビニール手袋やキッチンペーパーで衛生を保つ
●災害時は自宅でもいつもの布団で寝られるとは限らない。床に寝袋やクッションマットを敷いて寝てみる経験を
●被災の疑似体験をして、必要な防災用品の確認と災害への心構えを
 
千葉猛のひとこと
国崎さんのお話を聞いて「豆乳」買っておこうと思いました。保存もきくし、鍋のだしにして豆乳鍋もできる。カレールーを入れたらカレー鍋になるというのはうれしい話です。災害時でもおいしいものを食べると元気が出ます。「おうちDEキャンプ」実際にやってみたら、いろんな発見がありそうですね。