第1353回「変わる水害対策~『流域治水』とは?」
オンライン:熊本県立大学 特別教授 島谷幸宏さん

気候変動により雨の降り方も変化し、ダムや堤防に頼る治水には限界があります。そんな中、新たな水害対策として、「流域治水」という考え方が注目されています。河川の水量や氾濫を制御するだけでなく、あえて "あふれさせる"場所を作り、被害を最小限に抑える取り組みです。
具体的な手法としては「田んぼダム」があげられます。災害時に田んぼの出口を絞って、雨水を一時的にためる措置です。また「霞堤」といって、堤防に切れ目を入れて周辺の田畑へ水を誘導し、下流での決壊を防ぐ方法もあります。さらには、 ビルの地下に貯水施設を建設するなど、氾濫した場合の被害を減らす取り組みも同時に行わなければなりません。
近年はそうした水害対策に加えて、環境や生態系に配慮した対策を同時に行う「緑の流域治水」も提唱されています。防災の視点を強調しすぎると、防潮堤などで景観や地域の豊かさが損なわれることもあります。そこで、放置された水田を湿地にして再生したり、雨水をゆっくりと地面に浸透させる方法を考えたりと、持続可能な水害対策に地域全体で取り組むのです。これからの時代に求められる「流域治水」について、熊本県立大学特別教授の島谷幸宏さんに聞きます。
 
西村愛のひとこと
今までの洪水対策はダムや堤防でコントロールするものでしたが、2年前に国土交通省が『流域治水』に方向転換しました。滋賀県は全国に先駆けて昔ながらの"霞堤"を生かした治水を行い、東日本では"田んぼダム"が多く実践されているそう。地方と都市部では対策も変わります。実践されている地域の方の声を聞いてみたいです。

第1352回「プチプラ防災のススメ」
オンライン:国際災害レスキューナース 辻直美さん

政府は、この先30年間に「首都直下地震」や「南海トラフ地震」が発生する確率を70%と予測しています。また、現在、北海道から九州までわかっている活断層だけでもおよそ2000。まだ、見つかっていない活断層もあるとされていて、いつ、どこで大きな地震が起きてもおかしくありません。
地震多発国ニッポンに暮らしている以上、地震への備えは必要不可欠です。しかし、防災グッズを買い揃え、家の耐震補強をするのには、どうしてもお金がかかります。
番組では、国際災害レスキューナースの辻直美さんに「お金のかからない防災対策=プチプラ防災」について聞きます。地震に強い家づくりの3か条は、「家具の重心を低くする」「寝る前だけ片付ける」「どこか1か所に安全地帯を作る」ことだと、辻さんは言います。どれもお金はかかりません。皆さんも、地震への備えにプチプラ防災をはじめてみませんか。
  
辻直美さんの著書
プチプラで「地震に強い部屋づくり」 扶桑社/1320円

 
西村愛のひとこと
防災対策は手間とお金がかかるという声をよく聞きますが、"プチプラ防災"は意外とシンプル!タダで対策=片付ける!100均で購入→「落ちる・倒れる」には滑り止めシート、耐震マット、段ボール。「移動する・飛ぶ」には収納ケース、ドアロックストッパーで対策。これなら気軽にできそうだなと思いました! 
    
体験型防災イベント『ビオルネ防災キャンプ2022』
9月24日(土)午後1時~4時 「ネットワーク1・17」も参加します!
https://www.vie-orner.com/event/event/20220901-22872
 
受賞のご報告
今年1月23日に放送した報道特別番組「ネットワーク1・17スペシャル~盛土崩壊」が、2022年日本民間放送連盟賞のラジオ報道番組部門で最優秀を受賞しました。
放送はポッドキャストやYoutubeで聞いていただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=7JmTIKnHzv8
 

第1351回「ボランティアが足りない!」
オンライン:ひょうごボランタリープラザ アドバイザー 高橋守雄さん

台風11号が沖縄や九州地方を襲うなど、全国で豪雨災害が相次ぐ中、復旧・復興の助けとなるのが「ボランティア」の存在です。瓦礫の撤去や濡れた家財道具の運び出しもありますが、主な作業となるのが「泥かき」です。力のいる作業で、室内に入り込んだ汚泥は時間が経つと固まってしまうため、急いでかき出す必要があります。
早い段階での支援活動が求められるにも関わらず、ボランティア不足が問題となっています。豪雨が相次いでいることに加えて、コロナ禍で募集が大きく制限されていることが大きな理由です。2020年に球磨川が氾濫した熊本県の豪雨でも、県外からの募集が停止されました。若者が少ない過疎地域では人手が集まらず、コロナで密を避けて作業する必要もあって、活動自体への制限も伴います。高齢化で全国的に参加者自体が減っていて、若い世代にどう呼びかけるかも課題です。
災害が起きてからではなく 平時から社会全体でボランティアを支えるために何が必要なのでしょうか。全国の被災地にボランティアを送り出している「ひょうごボランタリープラザ」の元所長で、現在はアドバイザーを務める高橋守雄さんに聞きます。
 
ひょうごボランタリープラザ
https://www.hyogo-vplaza.jp/
 
体験型防災イベント『ビオルネ防災キャンプ2022』
9月24日(土)午後1時~4時 「ネットワーク1・17」も参加します!
https://www.vie-orner.com/event/event/20220901-22872
 
西村愛のひとこと
経験豊富な方々が歳を重ねていく中で、若い世代のボランティアを育てることができなければ、数十年後、大きな災害が起きた時にたいへんなことになってしまいます。国が早急にボランティア助成制度をつくれば、若いボランティアが増え、どこで災害が起きても活躍できますね。災害が起きてからではなく、今から、ボランティアを支える仕組みづくりを!!

第1350回「情報防災訓練~災害時デマに惑わされないために」
オンライン:静岡大学 准教授 塩田真吾さん

8月30日から9月5日までは防災週間です。この時期、学校や職場、自治会などが行う防災訓練に参加する人も多いのではないでしょうか。災害発生時には、固定電話や携帯電話がつながりにくくなり、LINEやTwitterなどのSNSが、安否確認や情報入手の手段として活用されるようになりました。
しかしその一方で、災害時の不安や混乱に乗じて、誤った情報を流して不安をあおる、いわゆるデマやフェイクニュースが大きな問題になっています。これからの時代は、従来の防災訓練に加え、災害時に正しく情報を見極めるための「情報防災訓練」が必要だと、静岡大学教育学部の塩田真吾准教授は話します。
正しい情報かどうかを見極めるためのキーワードは「だ・い・ふく」。「誰が言っているか」「いつ言ったのか」「複数の情報を確かめたのか」が大切だといいます。番組では、「情報防災訓練」を考案した塩田さんに、災害時の情報との向き合い方について聞きます。

情報防災訓練の教材(LINEみらい財団のサイト)
https://line-mirai.org/ja/activities/activities-prevention

西村愛のひとこと
大災害発生!私にも何かできないかな?役に立つ情報をリツイートしよう!善意でも間違った情報を拡散してしまうとたいへんなことになってしまいます。『だ・い・ふく』を考えながらSNSを見ると、とてもわかりやすくチェックできました。『情報防災訓練』は、いつでもできます。家族やお友達と実践してみませんか?

第1349回「コロナ感染拡大 改めて考える在宅避難」
オンライン:イラストレーター・防災士 草野かおるさん

新型コロナ第7波で、改めて災害時に避難所へ行かない「在宅避難」という選択肢が注目されています。その在宅避難のコツを、「おうち避難のためのマンガ防災図鑑」という本にまとめたイラストレーターで防災士の草野かおるさんがゲストです。
在宅避難は自宅で過ごす日々の延長のはずですが、何かと想定外のトラブルがつきものです。必ず備えておきたいのは、「①明かり、②水、③トイレ」。明かりは100円均一ショップのヘッドライトが役立ちます。さらに暗がりでも光る「蓄光シール」を電気のスイッチや階段に貼っておくのも効果的です。
そして水道が止まった場合、飲料水の備えだけでなく、生活用水の節約も必須。自宅のトイレを「非常用」に変えることも必要です。便器にゴミ袋で下地袋をかけ、養生テープで固定。その上から排便袋に凝固剤などを入れた排便用の袋をかければ完成です。「ペットシーツ」が大いに役立つそうです。在宅避難のノウハウとアイデアについて草野さんに聞きます。
  
西村愛のひとこと
草野さんのテーマは『自宅の台所が防災研究所』。簡単で費用もかからず、子どもと一緒にすぐにマネできるものばかり!草野さんのお話を聞いてから、家の台所を見回してみると、予想以上に災害時に使えるものがたくさんありましたよ。日頃から、家族みんなで実践して、慣れておくのも大切ですね!

第1348回「清水國明さんに聞く!アウトドアで防災力アップ」
オンライン:アウトドア愛好家・タレント 清水國明さん

子どもたちの夏休みもいよいよ終盤にさしかかりました。3年ぶりの行動制限のない夏休み。家族でアウトドアに初挑戦したという方も多いのではないでしょうか。ソーシャルディスタンスが確保できるアウトドアは、コロナ禍のレジャーとして、ここ数年、人気を集めています。
アウトドアの知識や経験は、災害時に役立ちます。例えば、アウトドアグッズのテントや、マット・寝袋は、災害時の避難生活でも使うことができます。車中泊の経験やノウハウも役立ちます。何より、電気・ガス・水道のない自然の中で過ごすという経験は、ライフラインの途絶えた中での避難生活で力になります。
楽しみながら災害に備えるアウトドアを、みなさんも初めてみませんか。番組では、芸能界きってのアウトドア愛好家、清水國明さんに「アウトドアで防災力をつける方法」を教えてもらいます。


清水國明さん主催の無人島サマーキャンプ
2022サマーキャンプ「生きるチカラ楽校」

https://www.arigatou-resort.com/
【日時】現在開催中~8月31日(水)
【場所】山口県周防大島の無人島「ありが島」
【参加資格】個人及び家族。子どもだけの参加可能(未就学児は保護者同伴)
【参加費用】1人1泊1万円(未就学児は半額)
【持ち物】テント・寝袋(レンタルあり)
途中参加、途中退出も可能。
 
■申し込み・お問合せ■
info@liverhouse.jp

必ずお名前、お電話番号を明記してお問合せ下さい

西村愛のひとこと
『100回の防災訓練より、1回サバイバルキャンプを経験するのがオススメ!』と語る清水國明さん。火おこしをしてみたり、土の上で寝てみたり。体験から得た知識で、本当に必要な備えに気づくことができる!親子でアウトドアを楽しみながら、災害時でも力強く生きる力を身につけていきたいです。

第1347回「災害時の車避難の注意点」
オンライン:アウトドア防災ガイド あんどうりすさん

この夏は特に、日本列島の北のほうで豪雨が続いています。青森県では河川の氾濫などにより600棟超が浸水し、りんご農家の苦悩も伝えられています。そして、道路が川のようになり、車が浸水して立ち往生する場面もたくさんありました。山形県では、橋が崩落し、走行中の車が川に流されました。
豪雨災害時は、「濡れない」「荷物を積むことこができる」などの理由から、車での避難を選択する人も多くいます。しかし、大雨で河川が氾濫している状態で、車での避難は危険です。車は、一旦水没し、電気系統が使えなくなると、窓を開けての脱出が困難になります。ドア付近まで浸水すると、水圧でドアは開かなくなります。
これまでの台風・豪雨災害では、車での避難時に亡くなる「車中死」も問題になっています。
番組では、災害時、特に、豪雨の時に車で避難するときの注意点について、車での避難に詳しいアウトドア防災ガイドのあんどうりすさんにお話を聞きます。
今週は西村愛キャスターが新型コロナ感染のためお休みで、西村麻子アナウンサーが担当です。

第1346回「東北・北陸で記録的豪雨」
電話:新潟県関川村の防災士 佐藤隆平さん
ゲスト:MBSお天気部 気象予報士 前田智宏さん

前線や低気圧の影響で、3日から5日にかけて、東北や北陸を中心に記録的な大雨となりました。気象庁は山形県と新潟県に大雨特別警報を出しました。また、線状降水帯発生情報が、青森、秋田、山形、新潟、福井の各県に発表されました。山形県では最上川が氾濫し、各地で道路の冠水、住宅の浸水、土砂災害なども発生しました。
新潟県北部の関川村では、2か月分の雨量が1日で降るという激しい雨となりました。関川村の防災士・佐藤隆平さん(72歳)は、「3日夕方から4日の明け方まで雷雨が続き、恐怖を感じた」と話します。高齢の母親は2階に垂直避難させ、家族にけがなどはありませんでしたが、自宅は床下浸水しました。雨の降り始めの段階で、集落の自主防災組織で話し合い、山のそばに住む人には避難を促したといいます。
毎日放送お天気部の気象予報士・前田智宏さんは、「日本海側でこれほどの大雨となったことに驚いた」と話します。東北と北陸に停滞していた前線に、台風由来の非常にあたたかく湿った空気が大量に流れ込んだためですが、この猛暑で日本海の海面水温が1~2度高くなっていることも影響しています。関川村の佐藤さんのリポートと気象予報士・前田さんの解説で、あらためて豪雨への備えを考えます。
今週は西村愛キャスターが新型コロナ感染のためお休みで、古川圭子アナウンサーが担当です。

第1345回「夏休みに親子で取り組む『防災おさんぽ』」
オンライン:NPO法人ミラクルウィッシュ 代表 益田紗希子さん

2018年の大阪北部地震では、登校中の児童が、地震で倒れたブロック塀の下敷きになって亡くなりました。もし、外出中や登下校時に地震が起きたら、みなさんは、そして、子どもたちは、どのように危険を避けて、どこに避難したらいいのでしょうか。
この夏休み中に、是非、親子で取り組んでほしい防災活動があります。
それは、「防災おさんぽ」です。家の周りや通学路など、いつも通っている道を親子で歩いて、危険な場所を見つけてください。普段、自転車や自動車で通っている道を、防災の意識を持って実際に歩いてみると、ブロック塀や空き家、自動販売機、家の塀の上に置かれている植木鉢など、地震で崩れたり何かが落ちてきたりする危険のある場所に気付くはずです。
また、「家の近くの指定避難所はどこにあるのか」「災害時にはどこで待ち合わせをするのか」など、夏休みは、防災について家族で話し合えるよいチャンスです。番組では、「防災おさんぽ」など、親子で取り組める防災活動を行っているNPO法人ミラクルウィッシュの代表 益田紗希子さんに話を聞きます。
 
西村愛のひとこと
今回『防災おさんぽ』に参加してみて、一緒に歩く人によってそれぞれの視点があり、ひとりで歩いた時よりも、さらに多くの気づきがありました。ゲーム感覚で楽しみながら、防災意識を高めるのもいいですね。あなたが『防災おさんぽ』で発見した注意ポイントがあれば、ぜひ番組にお寄せください!

第1344回「温暖化と豪雨災害」
オンライン:京都大学防災研究所 教授 中北英一さん

18日深夜から19日未明にかけて、山口、福岡、佐賀、大分の4県で、積乱雲が帯状に連なり豪雨をもたらす「線状降水帯」が相次いで発生しました。19日昼頃には、京都府と滋賀県で「記録的短時間大雨情報」が発表されました。
近年の雨の降り方や降る場所の変化については、地球温暖化の影響が指摘されています。気温が1度上がると、大気中の水蒸気の量が7%増えると言われます。この水蒸気の増加が、同じ場所に何度も雨雲を発生させ、停滞した長時間の雨をもたらす原因になります。15日から16日にかけては宮城県で記録的な豪雨となりましたが、海面温度の高い場所が東へと拡大していて、西日本だけでなく関東や東北地方でも豪雨が発生しやすくなっているのです。
温暖化は台風にも影響を及ぼします。気温が上がると大気は安定し、日本列島に台風が来る回数は減ると予測されます。しかし、安定した大気に打ち勝って生まれる台風は、いわゆる「スーパー台風」となり、大きな被害をもたらす可能性は高まると言われています。地球温暖化を考慮した上で、今後どんな豪雨対策が必要なのか、京都大学防災研究所の中北英一教授に聞きます。

西村愛のひとこと
地球温暖化の影響は、総雨量を増やすだけでなく、線状降水帯や台風にまで影響をもたらすんですね。気温が上がり水蒸気量が増えるため、西日本だけじゃなく、関東や東北、梅雨がないと言われてきた北海道でも2090年には豪雨が発生するのではないかとのこと!今後はどの地域でも豪雨への備えが必要ですね。