第1130回「大阪北部地震1ヵ月〜一部損壊 住民の現状」
取材報告:千葉猛アナウンサー

最大震度6弱を観測し4人が犠牲になった大阪北部地震は18日、発生から1ヵ月を迎えました。地震で3万棟以上の住宅に被害が出ましたが、その内99%が「一部損壊」です。今回の震災では、被災者生活再建支援法による国の支援はない見込みで、大阪府高槻市や茨木市は一部損壊を対象にした独自の支援策を打ち出していますが、補助額は限定的です。
住宅の基礎部分にあたる石垣が崩れる被害を受けた高槻市の男性は、修復に数百万円かかる見込みだと言います。業者の手が回らず、修復工事の予定も立っていません。また、茨木市の女性(74)は、住んでいる古い借家の瓦がずれたり壁にヒビが入る被害を受けました。借家の家主は、この住宅を取り壊す方針で、女性は立ち退きを告げられました。「この歳で借りられる部屋が見つかるのか」と、女性は不安を口にします。
地震発生から1ヵ月の高槻市と茨木市で被災住民を取材した、千葉猛キャスターが報告します。
 
西村愛のひとこと
大阪北部を震源とする地震から1カ月。一部損壊の被害が、ここまで大きいとは。修理費は500万円ぐらいになるかもしれない、との話にもびっくりしました。大変な中、お話を聞かせて下さった皆様に感謝です。不安が解消されるようなサポートが、さらに生まれていきますように。

第1129回「地区の4分の1が浸水〜倉敷市真備町で何が起こったのか」
電話:山陽新聞総社支局記者 古川和宏さん

 先週末に西日本を襲った豪雨で、岡山県倉敷市真備町では川の堤防が決壊して、地区の4分の1が浸水し、50人以上が犠牲となりました。そのほとんどが逃げ遅れによる溺死でした。
山陽新聞総社支局の記者で真備町に住む古川和宏さん(46)は、自宅が2階まで浸水し、家族とともに救助を待つという経験をしました。真備町には、6日(金)夜10時に避難勧告が出されました。古川さんは、妻や娘を避難させようと準備しましたが、ちょうどその時、近くのアルミ工場で爆発事故が起こり、急いで取材に向かいます。しかし、しばらくして川が氾濫したという知らせを受け、自宅に戻りました。そのときにはもう歩けないほど水位が上がっていて、結局、自宅は2階まで浸水。妻と娘は、ボランティアのボートで救助されることになりました。避難を始めるタイミングの難しさ、自身の認識の甘さを痛感したといいます。いつ避難を始めればよかったのか、被災してわかったことや今後の災害に備えて伝えたいことを、古川さんに聞きます。

千葉猛のひとこと
「家の2階にいる人の首の高さまで水が来た」水害のあまりの壮絶な状況に、言葉を失いかけました。「災害は最悪の想定をして、対策を考えておかなければいけない」という古川さんの言葉は重いです。そしてこれから長い復興への道のり。厳しい暑さも続いています。被災地の一日も早い復興を願っています。

第1128回「近畿で記録的大雨 土砂災害や洪水に警戒」
ゲスト:MBS気象情報部 気象予報士 吉村真希さん

梅雨前線の影響で、西日本で雨が降り続いています。気象庁は、8日(日)にかけて、広い範囲で記録的な大雨になるおそれがあるとして、河川の氾濫や土砂災害などに警戒するよう緊急の記者会見を開いて呼びかけました。大阪府では約10万人、京都府では約26万人に避難指示が出されました。大阪北部地震で震度6弱を観測した高槻市や茨木市では、瓦が落ちた住宅で雨漏りがひどくなるなど、被害の拡大に
住民たちが不安を募らせています。
台風ではないのになぜこれほど多くの雨が降るのか、命を守るためにどう行動すればいいのか、いつまでどのような警戒を続ければいいのか、MBS気象情報部・気象予報士の吉村真希さんに聞きます。
 
西村愛のひとこと
「雨がやんでもう安心!ではなく、土砂崩れは、雨がやんだあとにこそ、警戒が必要」という吉村さんのお話に、油断できないなと思いました。
生放送中にも、大雨特別警報が出ました。避難所で放送を聴いてくださった方もいらっしゃるかと思います。一刻も早く、心穏やかに過ごせる時が来ますように。

第1127回「大阪北部地震【2】〜通勤・帰宅困難」
ゲスト:東京大学大学院 准教授 廣井 悠さん

6月18日に発生した大阪北部地震で、通勤・帰宅困難者対策について考えます。今回の地震では広範囲にわたって交通機関が麻痺し、多くの帰宅困難者が出ました。さらには、通勤時間帯に発生したため、徒歩で数時間かけて出社するという人も多く見受けられました。
被災者が車やタクシーに乗り換えることで大渋滞になり、結果として緊急車両が通れないという大きな問題が生まれます。企業は地震が発生した場合の対応をあらかじめ決めておき、社員が「出社しない」という選択を取れる環境をつくることが求められています。
また、自治体などのガイドラインは、「平日の昼間に地震が発生した場合」が基本になっていて、今回のような通勤ラッシュの時間帯や深夜は想定されていません。改善が必要です。
大地震が発生すれば大阪でも200万人が帰宅困難者になるといわれます。今回の地震で改めて浮かび上がった問題について、東京大学大学院 の廣井悠准教授に話を聞きます。
 
千葉猛のひとこと
大災害発生時は、会社や学校に「行かない」これが帰宅困難者を生まないポイントです。とはいえ私は仕事柄そういうわけにはいかないのですが…。災害時に必要な人数はどれくらいで、確保はどうするか、企業は災害が起きる前からシミュレーションしておいて、不要不急な動きは避けることが大切ですね。

第1126回「大阪北部地震【1】〜倒壊したブロック塀」
電話:東北工業大学 教授 最知正芳さん

18日午前7:58頃、大阪府北部を震源とするマグニチュード6.1の地震が発生し、府内で5人が死亡しました。最大震度6弱を観測した大阪府高槻市では、小学校のプールのブロック塀が倒壊し、この小学校に通う4年生の女児が下敷きになり亡くなりました。
倒壊した塀は、プールの基礎部分にあたる高さ1.9メートルの壁の上にブロックを8段(1.6メートル)積み上げた構造でした。建築基準法では、ブロック塀の高さは2.2メートル以下とし、高さ1.2メートルを超す塀は一定の間隔で「控え壁」を設けることが定められています。倒壊したブロック塀は高さが計3.5メートルある上、控え壁が設置されておらず、高槻市は違法建築物であることを認めて謝罪しています。
1978年に発生した宮城県沖地震ではブロック塀の倒壊で18人が犠牲となり、建築基準法が改正されるきっかけとなりました。しかし、今回のように基準を満たさないブロック塀は、数多く存在しています。宮城県沖地震以来、ブロック塀の防災対策を研究している、東北工業大学の最知正芳教授に電話をつなぎ、今回の地震によるブロック塀倒壊の検証や、今後必要な対策を聞きます。
 
西村愛のひとこと
普段からよく目にするブロック塀。今回の地震で脅威になることを痛感しました。最知教授は、宮城県沖地震、東日本大震災でも被災されたそうです。何気なく目にするブロック塀のひびが、重要なサインになってるんですね。自分だけで判断せず、自治体に相談すること。今一度、チェックしたいと思います!

第1125回「ペットと同伴避難」
電話:竜之介動物病院 院長 徳田竜之介さん

今週は、3月に発売された防災ハンドブック「どんな災害でもネコと一緒」を監修した熊本市の獣医師・徳田竜之介さんに、ペットの避難について聞きます。徳田さんは「竜之介動物病院」の院長で、熊本地震発生時には、飼い主とペットが一緒に過ごせる「同伴避難所」を病院内に開設するなど、ペットの防災対策に取り組んでいます。
「ペットは家族」という考え方が広がり、災害でたいへんなときこそペットとともに過ごしたいと願う被災者は大勢います。国のガイドラインでは、ペットも飼い主と一緒に避難場所へ行く「同行避難」が基本とされています。しかし現実には、ペットを受け入れない避難所も多いうえ、一旦はペットとともに避難所に入っても、鳴き声やにおい・動物アレルギーなどの問題で居づらくなり、車中泊やテント生活を選択する人もいます。
ペットを飼う人と飼わない人の共存は難しいことから、ペットと飼い主が同じ部屋で生活できる「同伴避難所」を、普通の避難所とは別に設ける必要があると、徳田さんは訴えています。また、飼い主の側にも避難の準備やモラルが求められていると語ります。ペットの防災について、熊本地震の経験から今後の課題を考えます。
 
千葉猛のひとこと
私の家には体重18キロの老犬がおりまして、災害が起きた時でも避難所は無理だなあと、車中泊を覚悟しておりました。さらに10年近く飼っているカメもいるのですが、カメは現状では家がどんな状態になっても、水槽に残していかざるを得ません。ペットの「同伴避難所」早く広まってほしいです。

第1124回「ため池の防災」
ゲスト:明石工業高等専門学校 教授 工藤和美さん

近畿地方も梅雨入りし、水田では蛙の鳴き声が響く季節になりました。田んぼに水を引くための“ため池”は、西日本に数多く存在し、中でも兵庫県には、全国一となる約38,000箇所のため池があります。農業に欠かせないため池ですが、近年は、農家の減少や管理者の高齢化で十分に管理が行き届いていないものも増加しています。管理不足のため池では、地震や豪雨で堤防が決壊するリスクをはらんでいます。
兵庫県では、今年度からため池の管理状況などを確認する一斉調査に乗り出しました。これまで、届け出の必要がなかった面積の小さいため池を含めて、個別の「ため池台帳」を作成する計画です。また、管理者に技術指導を行うための「兵庫ため池保全サポートセンター」を今月1日、開設しました。
リスクを抱える一方、ため池には、大雨の際に一時的に水を貯めることで下流への洪水被害を防止・軽減する役割もあります。また、近年では、ため池の多様な生態系も注目されはじめ、池の水を抜いての生物観察や、レンコン堀りのイベントなども開催されています。
番組では、ため池の環境保全に詳しい国立明石工業高等専門学校の工藤和美教授をゲストに迎え、ため池の防災を考えます。
 
ため池ハザードマップポータルサイト(農林水産省のHP)
http://www.maff.go.jp/j/nousin/bousai/tameike/portal.html
 
西村愛のひとこと
ため池について、考えたこともありませんでしたが、こんなに深い世界だったとは!全国の中でも、ため池が最も多いのが身近な兵庫県!ため池条例もあるとは、びっくりです!!江戸時代からの暮らしの知恵が、農業だけじゃなく、防災にもつながっていたんですね。

第1123回「震災モニュメントをフェイスブックで紹介」
取材報告:千葉猛アナウンサー

先月23日、防災教育に力を入れている栃木県の作新学院中等部の3年生が、神戸市中央区の東遊園地にある「慰霊と復興のモニュメント」を見学しました。モニュメントには阪神・淡路大震災の犠牲者の名前が刻まれています。「これだけ多くの人が亡くなったということが初めて実感できた」と涙を流す生徒もいました。案内役を務めたNPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯り」(HANDS)代表理事の藤本真一さんは、「これを見て、震災のことを考えてほしい」と、生徒たちに語りかけました。
阪神・淡路大震災から23年がたち、震災の遺構はほとんど残っていませんが、慰霊碑などのモニュメントは阪神間に約300カ所あります。HANDSは先月、これらのモニュメントをフェイスブック上の地図に登録し、広く紹介する取り組みを始めると発表しました。SNSを使うことで、若い世代に興味を持ってもらうのが狙いです。千葉猛アナウンサーが藤本さんとともに神戸市内のモニュメントを巡り、震災を知らない世代に伝えるための新たなアイデアについて話を聞きました。
 
千葉猛のひとこと
阪神淡路大震災の慰霊碑に刻まれたお名前を見て、改めて、亡くなった方への追悼の思いとともに、遺族の方の23年を思いました。自分で実際に歩くことは大切です。フェイスブックを通じて1人でも多くの方にモニュメントを訪れ、感じてほしいです。そして、未来に向かっての世代交流の場となることを願っています。

第1122回「四川大地震10年〜神戸のNPO法人が防災体験施設に協力」
ゲスト:NPO法人「プラス・アーツ」神戸事務所長 室崎友輔さん

2008年に発生し、8万7千人を超える死者・行方不明者を出した中国の四川大地震から、今月12日で丸10年を迎えました。国主導のインフラ整備が進められ、2012年に復興完了が宣言されましたが、風化を防ぐ意味でも震災をどう伝えるのかが課題になっています。
そんな中、神戸のNPO法人「プラス・アーツ」が協力した子ども向けの防災体験学習施設が、10月に現地で開館する予定です。地震発生から避難までをツアー形式で体験できるよう構成され、地震の瞬間が体験できる映像シアターや地震直後の町のジオラマ、応急手当てなどを学べるワークショップなど内容も多彩です。経験を後世に伝えるだけでなく、子どもを通じて親世代の防災意識を高めるのも狙いの1つです。「阪神・淡路大震災の知識や教訓を、中国にも広げたい」と語るNPO法人「プラス・アーツ」神戸事務所長の室崎友輔さんに話を聞きます。

西村愛のひとこと
四川大地震から10年。日本での震災の教訓が生かされて、中国のみなさんへ。新たな架け橋が生まれているんですね!プラスアーツさんがすすめる、楽しみながら防災を学ぶ。大人の私が聞いても、ワクワクして、参加したくなりました。防災食に麻婆豆腐のレトルト、というのも中国ならではですね。

第1121回「増加する土砂災害から命を守るには」
ゲスト:国土交通省 近畿地方整備局 紀伊山系砂防事務所長 吉村元吾さん

近年、各地で大規模な土砂災害による被害が相次いでいます。昨年7月の九州北部豪雨では、猛烈な雨により広い範囲で土石流が発生し、死者・行方不明者は、41人(災害関連死を除く)にのぼりました。
直近10年の土砂災害発生件数は、年平均で1,000件を超えています。しかし、これほど身近な災害でありながら、土砂災害に対する世間一般の意識は高いとは言えません。土砂災害は、発生の危険性の高まりが外見的にわかりづらく、いつ・どこで発生するかを予測することや、土砂が動き出してからの避難は極めて困難です。平常時から、住んでいる地域が土砂災害の恐れがある場所かどうか知っておく必要があります。また、土砂災害の危険性が高まった際に発表される「土砂災害警戒情報」などを元に、早めの避難が必要となります。
番組では大雨の時期を前に、国土交通省近畿地方整備局・紀伊山系砂防事務所長の吉村元吾さんをゲストに迎え、近年の土砂災害の特徴や命を守るために必要なことを聞きます。

千葉猛のひとこと
もしあなたの住んでいる地域に「土砂災害警戒情報」が出されたら、危険が近づいているということです。すぐに命を守る行動をとってください。この情報はMBSラジオでもすみやかにお伝えしますので、大雨などで土砂災害の危険が考えられるときは、深夜でもラジオのスイッチは切らずに聞き続けてくださいね。