第1158回「シリーズ阪神・淡路大震災24年【3】〜長田の街に届ける歌声」
取材報告:西村愛キャスター

今週は西村愛キャスターの取材報告です。阪神・淡路大震災の発生から24年となる今月17日、神戸の東遊園地では、「1・17のつどい」が行われました。追悼の祈りをささげた遺族や市民に、震災24年の思いを聞きました。
また今月13日には、震災メモリアルの「NAGATAゴスペルコンサート」を取材しました。亡くなった方への鎮魂の思いを込めて、2001年から毎年1月17日前後に開催されているコンサート。西村キャスター自身もクワイヤーのメンバーとして参加したことがあります。クワイヤーの指導者だったミュージシャンのボビー原さんは、2005年に56歳の若さで亡くなりましたが、生前、「被災から時間が経った時こそ、歌の力が必要だ」と話していました。その遺志を継いだメンバーは、神戸だけでなく、さまざまな被災地で慰問公演を行っています。ゴスペルは震災24年を迎えた神戸の人たちにどう響いたのか、じっくりとお伝えします。
 
西村愛のひとこと
被災した方、周りで支えた方、それぞれの24年。悲しくて思い出したくない事もあるかと思います。でも、話して下さった事に感謝です!皆さんの想いに触れて語り継ぐことの大切さを実感しました。これからの災害に対しても、今一度、対策を。私も幼い息子と絵本を通して考えていきたいと思います。

第1157回「ネットワーク1・17スペシャル〜世代を超えて」
1月13日(日)よる8時〜9時放送
ゲスト:NPO法人「阪神淡路大震災 1・17希望の灯り(HANDS)」代表 藤本真一さん

今月の「ネットワーク1・17」は、阪神・淡路大震災24年のシリーズを放送しています。13日(日)は、あさ5時半〜6時のレギュラー放送(特集「長田神社前商店街の復興」)に加えて、よる8時〜9時に特別番組を放送します。この特別番組では、震災慰霊碑やモニュメントの情報をFacebookで発信する取り組みを始めたNPO法人「阪神淡路大震災 1・17希望の灯り(HANDS)」代表の藤本真一さんをゲストに迎えます。
「コミュニケーションの手段が世代によって全然ちがうので、連絡を取り合うだけでもたいへんです」と、藤本さんは言います。電話やFAXしか使わない人、メールを主に使う人、Facebookを使う人、InstagramやLINEの若者など、ツールはさまざま。考え方も感じ方もちがうので、被災経験を伝えるなど深い話をするのは至難の業です。「震災を伝えたい人」と「震災を知らない人」の世代ギャップをどう埋めていけばよいのか、藤本さんは考え続けています。番組では、神戸や阪神間に300か所以上あるモニュメントの中から、三宮、芦屋、六甲などにあるものを紹介し、そこに込められた思いを掘り起こすとともに、若い人たちに伝える方法について考えます。

千葉猛のひとこと
東北地方には明治以降の「津波」の石碑が300基以上つくられていました。しかし、東日本大震災の津波被害を防ぐことができませんでした。悔しい話です。災害を記録したモニュメントは「未来の人たちの命を守りたい」という先人の思いです。阪神淡路の思いを未来に伝えていかなければなりませんよね。

第1156回「シリーズ阪神・淡路大震災24年【2】〜商店街の復興」
ゲスト:長田神社前商店街振興組合 地域活性化部長 村上季実子さん

神戸の長田神社前商店街は、震災で3分の2の店舗が全半壊する大きな被害を受けました。ライフラインが途絶えた中で営業再開に奔走する店主たちに、救いの手を差し伸べたのが、女優の黒田福美さんでした。商店街の商品の通信販売カタログを作り、全国の人に買ってもらうシステムをつくったのです。インターネットが普及していなかった当時、画期的なことでした。
この通信販売カタログをきっかけに、商店街は息を吹き返し、地域密着のイベントを次々と開催するなど攻めの姿勢を貫いてきました。そして現在、多くの店が震災前と同じように営業を続けています。災害で大きなダメージを受ける商店街が多いのに、長田神社前商店街はなぜ元気なのでしょうか。惣菜店を経営し、商店街全体の復興に取り組んできた、村上季実子さんに話を聞きます。

西村愛のひとこと
震災後に訪れた、女優 黒田福美さん考案のパンフレットを通じて広がった支援の輪。24年となる今も感謝を忘れず、手を取り合い前へ!行くたびに元気をもらう長田神社前商店街。その魅力は、村上さんをはじめ商店街のみなさんの前向きなエネルギーあってこそ!また美味しいおかずを買いにいきますね!

第1155回「シリーズ阪神・淡路大震災24年【1】〜変わる語り部の役割」
ゲスト:北淡震災記念公園 支配人 語り部 米山正幸さん

今月17日で、阪神・淡路大震災から24年を迎えます。今週は、「語り部」のあり方について、淡路島にある北淡震災記念公園の支配人で、語り部を続ける米山正幸さんに伺います。
米山さんは、淡路島で最も被害が大きかった旧北淡町(現在の淡路市)で被災し、地域の消防団員として救助活動に当たりました。普段から住民同士のつながりが強い地域で、「どこの部屋に誰が寝ているか」という情報を頼りに300人を救出。それでも、「助けられなかった命がある」という思いのほうが強いと語ります。
語り部を始めた当初は自身の体験談だけでしたが、その後、医師や教師・葬儀会社などさまざまな人に聞き取りを行い、当時の状況を多くの人の言葉で伝えられるよう努力しています。さらに、幼稚園ではオリジナルの紙芝居を用いるなど、年齢や目的に応じた内容にすることも心がけています。
語り部は、記憶の風化を止め、地域や個人の防災につなげる大切な活動です。震災を知らない世代が増え、聞き手のニーズも変わる中、改めてその役割について考えます。

千葉猛のひとこと
「阪神淡路大震災の揺れを直接経験していない世代でも、震災を語り継ぐことはできる」という米山さんの思いが伝わるお話でした。70%〜80%の確率で南海トラフの大地震が今後30年以内に発生します。将来の大地震から多くの人の命を守るためにも、過去の教訓を知り、備えなければなりません。

第1154回「災害多発の2018年をふり返る」
ゲスト:兵庫県立大学大学院・減災復興政策研究科 教授 室崎益輝さん

今年の漢字に災害の「災」という字が選ばれたように、多くの人にとって2018年は、災害が印象強く残った1年でした。主な災害をふり返ると、車約1,500台が3日間にわたり立ち往生した北陸地方の豪雪、滋賀県米原市を襲った竜巻と見られる突風、大阪府で初めて震度6以上を記録した大阪北部地震、220人以上が死亡し平成最悪の豪雨災害となった西日本豪雨、災害級と言われた記録的な猛暑、近畿地方に大きな爪痕を残した台風21号、最大震度7を観測した北海道胆振東部地震と、枚挙にいとまがありません。
リスナーの皆さんからも、被災体験のおたよりをたくさん番組にお寄せいただきました。今年最後の番組では、兵庫県立大学大学院・減災復興政策研究科の室崎益輝教授をゲストに迎え、皆さんのおたよりをご紹介しながら2018年の災害を振り返り、どうすれば被害を減らせるのか、また、多発する災害に備えてどんな社会にしていけばいいのか考えます。

西村愛のひとこと
まさか、うちの地域でこんなに大きな災害が起こるとは!私も同じ想いです。お便りの体験談や備蓄に対するアイディアから多くの発見がありました。私たちは災間を生きているんだ。災害と災害の間の時間に日々生きている。それを胸に留めて備えを見直しましょう!沢山のお便りありがとうございました。

第1153回「災害時に役立つ風呂敷」
ゲスト:日本風呂敷協会 小山祥明さん

今年9月に発売された書籍「ふろしき防災BOOK」が話題になっています。風呂敷はもともと火事で避難する際に荷物を包むなど、江戸時代から災害の現場でも用いられたアイテムでした。東日本大震災や熊本地震で、被災地に風呂敷を寄贈した経験から、被災者の声を集め、場面ごとに39種類の使い方をまとめたのが、この本です。
被災地では、本来の「荷物を包む役割」や、三角巾など「ケガ・病気への対応」にとどまらず、避難所で間仕切りやカーテンとして利用されたり、洗濯物を囲う「下着干しカバー」に使われるなど、プライバシーを守るために重宝されました。また、ゆりかごやボールにもなり、子どものストレスを解消する遊び道具としても利用されました。
緊急時には足を守る簡易シューズや、おもりを包んで窓ガラスを破るハンマーにもなり、変幻自在で災害時に活躍する風呂敷。改めて見直されるその活用術と役割について、本を出版した日本風呂敷協会の小山祥明さんに聞きます。
来年1月17日に神戸の東遊園地で行われる「1・17のつどい」の準備について、西村愛キャスターのリポートもあります。

千葉猛のひとこと
中学生が作った竹灯籠が来年1月17日に神戸の東遊園地に並びます。私も気持ちのこもった墨字を見に行こうと思います。そして「風呂敷」をこれまで災害対策とつなげて見たことはなかったのですが、ハンマーから靴まで多様な使い方ができることがわかりました。いつも1枚、カバンに入れておこうかな。
 
「ふろしき防災BOOK」
http://www.japan-furoshiki.jp/bousai.html
 
1.17の「竹灯籠づくり」に参加できます <1月6日(日)あいな初まつり>
https://kobe-kaikyopark.jp/news/2019%E5%B9%B41%E6%9C%886%E6%97%A5%EF%BC%88%E6%97%A5%EF%BC%89%E3%80%80%E3%80%8C1-17%E3%81%AE%E3%81%A4%E3%81%A9%E3%81%84%E3%80%8D%E3%81%AE%E7%AB%B9%E7%81%AF%E6%98%8E%E5%8F%B0%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A.html

第1152回「大阪北部地震から半年〜知っておきたい地震保険の話」
ゲスト:ファイナンシャルプランナー 清水香さん

 今週はMBSラジオのスペシャルウイークです。リスナーのみなさんに豪華プレゼントをご用意していますので、楽しみにお聞きください。
特集は地震保険の話です。今年6月の大阪北部地震では、5万5000棟の家屋が被害を受けましたが、その99%は「一部損壊」でした。「一部損壊」では、被災者生活再建支援法の支援金や、災害救助法の応急修理制度の補助の対象になりません。屋根瓦が落ちるなどの被害で、家の補修に数百万円かかるとしても、ほぼ全額、自力で捻出するしかないのです。
自分でできる備えとして、最も重要なのが地震保険です。保険金の上限金額は火災保険の50%で、一部損壊の場合、その5%しかお金が出ませんが、それでも助かったという声が多く聞かれました。地震保険の意義、特に分譲マンションの居住者が注意すべきポイントなど、この問題に詳しいファイナンシャルプランナーで社会福祉士の清水香さんに聞きます。

西村愛のひとこと
災害への備え。防災リュックを準備することや家具を固定することは、すぐ思いつくけれど、我が家を守る保険もプラスしないといけませんね。「うちは地震保険に入っているから大丈夫」と思いながら確認したら、家財の補償まではできていませんでした!!新しい年を安心して迎えるためにも今一度見直しましょう!

第1151回「当時の小学生が語る東日本大震災」
取材報告:亘 佐和子 記者

東日本大震災の発生から7年がたち、当時の子どもたちが、自分の経験をあらためて大人の目線で振り返り、語り始めています。今年9月、大阪市立鶴見橋中学校の防災合宿に、宮城県東松島市の大学生2人が招かれ、講演しました。
小山綾さんと齋藤茉弥乃さんは、東日本大震災のとき、野蒜小学校の6年生でした。「津波は最初、黒い水がサラサラと流れてくる感じだったが、あっという間に校庭が黒い水と瓦礫で埋め尽くされた」と小山さん。斎藤さんは学校の体育館で津波に襲われますが、授業で習った「着衣泳」でずっと水面に浮かんでいて助かった体験を語りました。指定避難所になっていた野蒜小学校の体育館には、約350人が避難していましたが、3メートルの浸水で、十数人が亡くなったとみられています。
子どもたちにとって、震災はどのような経験だったのか。私たちはそこから何を学べるのか。大学生の語り部を通して考えます。

千葉猛のひとこと
東日本大震災発生当時、小学生だった子が大学生となり震災を語り継ぐ。月日の過ぎる早さを思うとともに若い世代の力を感じました。そして今回の放送の重要ポイントの1つは「着衣泳」だと思います。命を守るため「着衣泳」について、ぜひ国が主導して全国の人たちに学ぶ機会を設ける必要があると考えます。

第1150回「小学校と大学の取り組み〜キャスター2人が取材報告」
取材報告:千葉猛アナウンサー、西村愛キャスター

年が明けるとまもなく阪神・淡路大震災の発生から24年を迎えます。兵庫県の芦屋市立精道小学校では、児童が震災を語り継ぐ取り組みが続けられていて、今年1月の特別番組でもその様子をお伝えしました。今回は、西村キャスターが初めて精道小学校を訪れ、震災でお子さん2人を亡くした方の授業を取材して感じたことをお伝えします。
番組後半は、千葉キャスターのリポートです。大阪府吹田市の関西大学で行われた、大規模な避難訓練の様子を取材しました。関西大学は、日中、学生や職員など約1万人が学内を行き交います。また、一時避難地に指定されていることから、災害時には地域の人も含めて、大勢の人が集まることが予想されます。訓練には学生だけでなく、地域の自治会も参加し、連携を進めています。災害時の拠点となることを想定して、本格的に準備を進めている大学の取り組みをお伝えします。

西村愛のひとこと
今回は、学校をキーワードに2つの防災にまつわるリポートでした。共に感じたのは、想像して語り合うことの大切さ。「毎日じゃなくてもいい。なにかのキッカケでふと思い出してくれるといいな」米津さんの授業でも、この言葉が出てきました。この番組が、みなさんのキッカケになりますように。
 

第1149回 ネットワーク1・17スペシャル「一部損壊〜災害とお金」
ゲスト:弁護士 津久井進さん

2018年の近畿地方は、大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号と、
本当に多くの災害に見舞われました。
被害を受けられたみなさん、その後の暮らしはいかがですか。
住宅に被害を受けても、「一部損壊」の認定の場合、公的な支援はほとんどありません。
「年金暮らしなのに、屋根の補修だけで300万円から400万円かかるんです」と嘆く大阪北部地震の被災地・高槻市の女性。地震保険に加入していなかったことを後悔する70代の男性。
役所に被害認定の再調査を依頼して「一部損壊」から「半壊」にしてもらったのに、
「半壊では被災者生活再建支援法の支援金が支給されない」と知って落胆する岡山市の女性。
家が全壊するような大きな被害ではなかったものの、
補修の費用をどう捻出するか悩む人たちが大勢います。
「被災者生活再建支援法」は、
住宅が全壊した世帯などに最大300万円の支援金を支給する制度で、
阪神・淡路大震災の被災者やその支援者が声を上げてつくられた法律ですが、
「半壊」や「一部損壊」は支援の対象になりません。
支援金の引き上げや支援対象の拡大を求める声が上がっていますが、
財源などの問題があり、政府は改正に消極的です。
被災した人たちの切実な声を紹介しながら、
弁護士の津久井進さん(日本弁護士連合会災害復興支援委員会委員長)とともに、
被災者への公的支援はこれでいいのか考えます。
11月26日(月)よる7時〜8時の放送です。

千葉猛のひとこと
「一部損壊」に対する公的援助は、阪神淡路大震災で被災者生活再建支援法を創るために立ち上がった被災者の方々の思いでもあります。災害で苦しんでいる国民がいるのに、それを突き放したまま大きなイベントに多額の税金をつぎ込むのは「人間の国」の姿なのか。民主主義の国の根本が問われている問題です。