第1443回「内水氾濫の危険性」
オンライン:山口大学 特命教授(環境防災学)山本晴彦さん

大雨により下水道などから水が市街地にあふれる「内水氾濫」。その対策やインフラ整備はあまり進んでいません。内水氾濫は、市街地に短時間で局地的な大雨が降り、下水道などの排水能力が追いつかないときに発生します。洪水の可能性がある大規模河川は、堤防を高くして水位を上げる対策が取られているのですが、その結果、大雨が降ると、中小の河川に水が逆流してしまい、下水道や用水路などから水があふれることになるのです。
福岡県久留米市では、毎年のように内水氾濫が発生しています。筑後川流域で大雨が降ると、支流の水位が上昇し、深い所で1m50cmほど浸水してしまいます。都市部ではアスファルト舗装で水が地面に浸透せず、大きな被害になりやすいと指摘されています。
ただ、浸水可能性や下水道の排水能力などを計算するには時間もコストもかかるため、内水氾濫のハザードマップを整備している自治体は多くありません。どんな対策が必要で、私たちは何に気を付ければよいのか、山口大学特命教授の山本晴彦さんに聞きます。
   
(番組内容は予告なく変更する場合があります)

第1442回「今年も猛暑!気象情報の活用法」
ゲスト:MBSお天気部 気象予報士 前田智宏さん

気象庁が今夏の3か月予報(6月~8月)を発表しました。今年の夏は、暖かく湿った空気が流れ込みやすく、全国的に気温が平年より高くなる見通しで、厳しい暑さが予測されています。熱中症対策が重要です。
熱中症を防ぐためには、気象情報を活用し、暑さから身を守る行動をとらなければなりません。今年4月から新たに運用がはじまった「熱中症特別警戒アラート」は、暑さ指数35以上の極めて危険な暑さが予測されたときに発表されます。通常の熱中症対策では不十分かもしれません。もし、「熱中症特別警戒アラート」が発表されたら、私たちはどのような行動をとればよいのでしょうか。MBSお天気部の気象予報士・前田智宏さんに解説してもらいます。さらに、暑さから身を守る気象情報の活用法と、本格的な夏に向けて今からでも間に合う熱中症対策について聞きます。

西村愛のひとこと
熱中症警戒情報が出たら、予定を変更して涼しい場所にいる判断が大切ですね。 暑さに強い身体づくりもしておきましょう!→涼しい時間帯にジョギング(1日15分ぐらい)ウォーキング(1回30分ぐらい)を週5回。サイクリング(1日30分)を週3回!2〜3週間ぐらい続けると暑さに強い身体づくりが進むとのこと。2日に1回は、ぬるめのお湯に浸かるのも◎汗をかいて体力をつけていきましょう!

第1441回「能登の被災地で進まない公費解体」
オンライン:東京都立大学名誉教授(災害復興学)中林一樹さん

元日の能登半島地震により、石川県内では住居や店舗など約4万8000棟が全半壊しました。そのうち2万2000棟が公費解体の対象になると推計されていますが、実際に解体されたのは100棟にも及ばず、復興が進まない要因ともなっています。なぜ解体が遅れているのでしょうか。
公費解体を申請するには、「罹災証明書」など多くの書類が必要です。土地や建物の相続登記をしていない人も多く、所有者の名義が2~3代前となると、関係する兄弟や子どもなど全員の同意が必要となり、その作業は膨大となります。
県外など遠方へ避難した被災者も多く、書類の不備などで何度も市町村の窓口に来るのはたいへんです。例えば金沢市から珠洲市は、バスで往復7000円程度かかり、時間的にも金銭的にも負担になります。
解体作業は地元企業が請け負う仕事にもなるはずですが、解体が進まなければ、働き口がないために人が被災地に戻ってこないという悪循環にもつながります。どうすれば解体が進むのか?課題はどこにあるのか?災害復興学が専門で東京都立大学名誉教授の中林一樹さんに聞きます。
 
西村愛のひとこと
罹災証明も、公費解体の申請も、その前にやっておかないといけない建物や土地の相続登記も、手続きが大変!二次避難で金沢や県外に滞在している方も多いようなので、中林さんからの提案にあった"交通費を一部負担する。手続きを簡素化して申請しやすくする"と公費解体や復興が進んでいくのでは、と感じました。

第1440回「被災者の心とからだを癒す足湯ボランティア」
ゲスト:CODE 海外災害援助市民センター 山村太一さん
    やさしや足湯隊 兵庫県立大学大学院1年生 南太賀さん

元日に発生した能登半島地震の被災地で、学生や若者たちが「足湯ボランティア」を続けています。足湯ボランティアは、1995年に発生した阪神・淡路大震災の被災地・神戸で始まり、東日本大震災など数々の被災地で続けられてきた支援活動です。被災した人たちは、たらいやフットバスに張ったお湯に足を浸すことでリラックスでき、心とからだを癒すことができます。
能登半島で活動を行っている足湯ボランティア"やさしや足湯隊"は、避難所や公民館などで足湯を提供し、手を揉みながら被災者の話に耳を傾けます。また、時には被災家屋の片付けや思い出の品の捜索など、被災者の要望に応じた支援も行っているそうです。
人々はいま、どんな思いで暮らし、何を必要としているのでしょうか。番組では、能登半島で足湯ボランティアを続けているCODE海外災害援助市民センターの山村太一さんと、兵庫県立大学大学院1年生の南太賀さんに被災地での活動について話を聞きます。

CODE海外災害援助市民センター
「やさしや足湯隊」クラウドファンディング

https://code-jp.org/2024/05/01/%e5%ad%a6%e7%94%9f%e3%83%bb%e8%8b%a5%e8%80%85%e3%81%ab%e3%82%88%e3%82%8b%e3%80%8c%e3%82%84%e3%81%95%e3%81%97%e3%82%84%e8%b6%b3%e6%b9%af%e9%9a%8a%e3%80%8d%e3%82%92%e5%bf%9c%e6%8f%b4%e3%81%97%e3%81%a6/
 
西村愛のひとこと
被災した皆さんは、日々大変で、今の困りごとが何なのか、わからない方もいるかもしれません。リラックスしてお話をすると気持ちが整理されて、今の困りごとに気づくきっかけになるかも。お話して仲良くなったからこそ、頼めることもありますね。ボランティアの中には、このプロジェクトをキッカケに能登に移住した方もいるそうですよ!

第1439回「現物主義が支援の壁に? 『災害救助法』の課題」
オンライン:日本弁護士連合会 災害復興支援委員会 副委員長 永野海さん

能登半島地震で課題が浮き彫りになっている「災害救助法」について考えます。「災害救助法」は被災地で応急的な救助や支援を行う法律です。避難所の設置や生活必需品の支給、家屋の応急修理、仮設住宅の設置など広い範囲で適用されます。
しかし、支援の多くは物資や住宅の提供など、いわゆる"現物主義"であり、迅速な救助のためには現金で支給すべきと指摘する声もあります。
例えば避難所での食事は、同じおにぎりや菓子パンが続くこともあり、自分たちが食べたいものを自由に選べません。仮設住宅も、行政が借り上げて提供しますが、地方では確保が難しいのが現状です。被災者自身が物件を選び、その家賃を補助すれば契約もスムーズになります。
災害時にお金があっても役に立たないということで現物支給が続けられてきましたが、今はすぐにコンビニやスーパーが開き、インターネットでも物が買える時代です。さらに現物給付は手続きが複雑で、管理する行政の負担も増えます。「災害救助法」の課題について、日本弁護士連合会の災害復興支援委員会 副委員長 永野海さんに聞きます。
  
西村愛のひとこと
災害救助法は、1947年(昭和22年)戦後間もない頃にできた法律。だから現物主義だったそう。現在は被災後、何日かしたらお店が再開して好きなものを、買うことができる。地元のお店も売り上げが上がり復興につながる!"現金で渡すか、被災者だけが使えるクーポン券はどうかな?"など、今の時代にあった支援に変えていくことが必要ですね。

第1438回「創作絵本で防災を伝える」
ゲスト:絵本アニメクリエイター twotwotwo(ににに)あしださん、ござさん

神戸市中央区にある「人と防災未来センター」の"防災100年えほんプロジェクト"は、創作絵本で災害を語り継ぎ、防災・減災を伝えようという取り組みです。今年3月、このプロジェクトから最初のオリジナル絵本3冊が完成しました。
その中の1冊「ぼうさいバッグのちいさなポケット」は、自宅の倉庫に災害備蓄をしているお父さんと、その倉庫に初めて足を踏み入れた男の子のお話です。災害の時に必要なものって何だろう?男の子は、試行錯誤しながら自分の防災バッグを作ります。
この絵本では、災害への備えに関する具体的な情報を、子どもにも伝わりやすいかわいいイラストで紹介しています。男の子が最後に防災バッグの小さなポケットに入れたものは何だと思いますか。考えてみてください。
番組では、「ぼうさいバッグのちいさなポケット」の作者で絵本アニメクリエイター 「twotwotwo(ににに)」の2人をゲストに迎え、災害への備えについて考えます。
  
防災えほん100年プロジェクト
https://bosai100nen-ehon.org/announcements/1169/
  
twotwotwo(ににに)企画展のお知らせ
https://bosai100nen-ehon.org/announcements/1183
   
西村愛のひとこと
絵本だと子どもたちにも楽しく防災を伝えられるので嬉しいですね。 非常用持ち出し袋に入れるものは、"小銭と千円札をジップロックに入れておく"など細かく描かれているので、大人も"なるほどー!"がたくさん。ペット防災や、様々な災害も絵でわかりやすく説明されています。他の2冊もとっても素敵な作品です!ぜひご覧ください。

第1437回「災害時の自治体職員の健康をどう守る?」
オンライン:産業医科大学 災害産業保健センター 講師/産業医 五十嵐侑さん

能登半島地震からまもなく4か月を迎えます。被災地では復興に向けて対応する自治体職員の多くが長時間労働で疲弊しています。輪島市では、1月の残業時間が「過労死ライン」と言われる100時間を超えた職員が8割にものぼりました。
被災地で調査・支援にあたった「産業医科大学災害産業保健センター」によると、通常業務のほかに、支援物資の受け入れなどの業務が加わり、泊まり込む職員や家族が被災し避難所から通勤するケースもあるといいます。また罹災証明の発行をめぐり、住民からの問い合わせ等で矢面に立つ精神的疲労も大きいそうです。
災害時の自治体職員の健康をどう守ればいいのか?「産業医科大学災害産業保健センター」講師で産業医の五十嵐侑さんに聞きます。
  
西村愛のひとこと
自治体職員の方々はご自身も被災している中、膨大な作業や、市民のやり場のない怒りも受け止める日々。支える人が元気じゃないと復興は進みません。今後は各自治体で健康管理の方針を定める仕組みが進み、もし自分が被災したときには、感謝の気持ちを積極的に伝えることを大切にしたいと思いました。

第1436回「災害ボランティアのこれから」
ゲスト:大阪大学大学院 准教授 宮本匠さん

阪神・淡路大震災が発生した1995年は「ボランティア元年」と言われ、その後の災害では多くのボランティアが被災地支援で活躍しました。しかし、能登半島地震では「自粛ムード」の強まりや行政による「統制」などもあり、さまざまな課題が浮き彫りになりました。
災害ボランティアに詳しい大阪大学大学院の宮本匠准教授は「本来ボランティアは自発的な行動で、行政に統制する権限はない」として、能登半島地震でのあり方に疑問を投げかけています。
日本では昔から人々は助け合って生きてきました。特に核家族化や高齢化の進む現代では、ボランティアの力は災害時の希望にもなります。番組では災害ボランティアのこれからについて、宮本匠准教授に詳しく聞きます。
  
西村愛のひとこと
瓦礫の撤去や家の片付けだけでなく"足湯とマッサージで被災した方の心を癒しながらニーズを聞き出す"という活動など、様々な団体がありますね。活動団体を調べてみると"私にも出来ることが色々ある!"と思いました。今後はボランティアの拠点が増えるなど、支援の輪が広がる仕組みづくりも進んでほしいですね。

第1435回「熊本地震8年~生活の場としての避難所運営」
オンライン:NPO法人「益城だいすきプロジェクト・きままに」代表理事
吉村静代さん

4月14日、熊本地震から8年を迎えます。熊本地震では災害関連死が犠牲者の8割を占めるなど、避難後の生活環境の大切さが浮き彫りになりました。熊本で活動するNPO法人「益城だいすきプロジェクト・きままに」代表理事の吉村静代さんは地震発生直後から避難所運営にあたった1人です。
避難所では「自分たちのことは、自分たちでやる」をモットーに高齢者や乳幼児、女性などの専用スペースを設置。段ボールベッドをテーブルや椅子に改良して食事スペースを作ったり、畳敷きの語らいの場を「カフェ」として設けるなど、避難所を"生活の場"に近づける努力をしました。その結果、4か月間の避難生活で生まれた「繋がり」が仮設住宅へと続き、孤独死や関連死を防げたといいます。
能登半島地震の被災地でも支援活動を行った吉村さんに避難所運営のあり方や能登半島地震の支援活動で感じた問題点などを聞きます。

西村愛のひとこと
避難者の方々に、掃除など様々なお願い事をすることでコミュケーションが生まれていった。と、吉村さん。1ヶ月経った頃には、仲良くなっていたそうです。避難所で余った段ボールで食堂を作り、ゆっくり語り合える場所を生み出したというのも素敵な取り組みですね。災害関連死を防ぐためにも、心が元気になる場所作りが必要だと感じました。

第1434回「災害時のラジオ~共感放送の役割~」
ゲスト:毎日放送報道情報局 大牟田智佐子さん

大きな災害が起こったとき、みなさんはどこから情報を得ますか。新聞・テレビ・ラジオ・インターネットなどのメディアに加え、SNSを中心とした情報発信ツールが増えた今、時には誤った情報やデマが流れることもあります。
災害に遭い被災した人は生活を立て直すための日常に追われ、溢れる情報の中から自分に必要な正しい情報を取り出すことが困難です。そんな被災者に寄り添った"ラジオにしかできない災害放送"があります。
番組では、大災害とラジオに関する研究を行い、ラジオならではの災害放送"共感放送"という概念を提唱している元番組プロデューサーの大牟田智佐子さん(毎日放送報道情報局)に災害時のラジオの役割について聞きます。

大牟田 智佐子 著
「大災害とラジオ 共感放送の可能性」

https://www.nakanishiya.co.jp/book/b10046071.html

西村愛のひとこと
熊本で被災した方々と話した時、"ラジオに勇気づけられた"という声をよく聞きました。 心と心がつながる放送だからこそ"共感放送"が生まれる。東京のリスナーが熊本で被災した人のために市役所に問い合わせて情報を番組に送ったことも!番組を通じて、チームのように絆が生まれているんですね。