第1167回「東日本大震災8年【4】~被災地を走る移動図書館」
電話:元シャンティ国際ボランティア会 岩手・山元・南相馬事務所長 古賀東彦さん

シャンティ国際ボランティア会は、東日本大震災の被災地を、「移動図書館活動」で支援してきました。キャッチフレーズは「立ち読み、お茶のみ、おたのしみ」。移動図書館車が仮設住宅にやって来ると、本を借りる用事がない人も集まってきて、一緒にお茶を飲んだり世間話をしたりします。そして本は、ひとり静かに考え、自分の心と対話するのを手助けしてくれるものでもあります。
男の料理本を借りて行った男性は、「家族はみんな流されてひとりになった。ひとりだから健康のことが心配で」と話しました。「原発事故が起こり、避難のときに犬をおいてきた。その後、会っていない」と言って、犬の本を借りて行った女性もいました。人々がさまざまな悲しみを抱えながら日々の暮らしをつむいでいく仮設住宅で、移動図書館は本音を吐露する場にもなりました。この7年半、東北で暮らしながら移動図書館を続けてきた古賀東彦さんの活動日報を紹介し、被災地支援について話を聞きます。

千葉猛のひとこと
「1人の時間を癒してくれるもの、それは本」移動図書館と被災地の支援は、最初すぐには自分の中でつながらなかったのですが、被災した人の心に静かに寄り添う活動だということがわかりました。声を拾うことの大切さ。古賀さんの日報をもとにした本「ただ傍にいて」は読む人の心に深く深く問いかけてきます。

第1166回ニュースなラヂオ、ネットワーク1・17共同企画
「東日本大震災8年【3】~今・・・そしてこれから」
電話:福本晋悟アナウンサー(宮城県石巻市)
取材報告:西村愛キャスター
電話:千葉猛アナウンサー(福島県)

3月11日(月)は、報道番組「ニュースなラヂオ」と共同企画で、
よる7時から9時まで、2時間の特別番組を生放送します。
東日本大震災では1万5897人が亡くなり、2533人が行方不明となっています。
また、今も約5万2000人が、仮設住宅などでの避難生活を余儀なくされています。
番組では、福本晋悟アナウンサーが宮城県・石巻市から生中継。
西村愛キャスターは、大阪で開かれたイベント「3・11 from KANSAI」を取材し、
東北の経験を関西の私たちがどう受け止め生かすべきか、スタジオで報告します。
また、千葉猛キャスターは、福島第一原発の立地自治体で、今春、避難指示が一部解除される福島県・大熊町を取材し、現地から電話出演します。

西村愛のひとこと
東日本大震災から8年。西日本で暮らす私達も昨年は大きな災害に見舞われました。東北で被災した方の体験談を聞き、自分はどう感じたか。今後の防災を多くの人と語り合うことで新たな気づきがたくさん生まれる事をイベントで体感しました。東北の復興、土地だけじゃなく心の復興も、より前に進んでいきますように

第1165回「東日本大震災8年【2】~原発事故避難者の声」
ゲスト:東日本大震災避難者の会「Thanks&Dream」代表 森松 明希子さん

今月11日で発生から丸8年となる東日本大震災では、1万5897人が死亡し、2533人が今も行方不明のままです。(3月1日現在)
大震災にともなって発生した福島第一原発事故では、多くの人が住み慣れた地域を離れて県外に避難しました。近畿地方にも約2200人が避難していますが、人数は把握しきれておらず、実際にはさらに多いと見られています。また、避難指示区域の外から避難している、いわゆる「自主避難者」も多くいます。
国や福島県は除染を進め、住宅環境を整えるなどして住民の帰還を支援していますが、なぜ8年経つ今も多くの人が県外に避難したままなのでしょうか。福島県郡山市から母子で大阪市に避難している森松明希子さんは、「国は、年間1ミリシーベルト以下とされていた被ばく線量の基準を、事故後は20ミリシーベルトまで引き上げた。住民は、無用な被ばくを受けずに安心して生活する権利があるはず」と話します。
森松明希子さんをスタジオに迎え、関西に避難している人たちの現状と避難者の声を聞きます。

千葉猛のひとこと
森松さんの「過剰に被ばくしたくない」という思いはよくわかります。原発事故前の、完全に安心して子供を遊ばせられる環境に戻す責任が国や東京電力にはあるはずです。そして「自主避難を含めた原発事故避難者の支援継続」という国連勧告を政府は受け入れたのですから、完璧に実行すべきですよね。

第1164回「東日本大震災8年【1】~震災遺構・伝承館がオープン」
電話:気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館 館長 佐藤克美さん

今週から東日本大震災8年のシリーズを始めます。被災地では、津波の被害を受けた建物を保存するかどうか、住民の間で意見が分かれ、遺族に配慮して取り壊された建物も多くあります。
そんな状況の中、今月10日に「気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館」がオープンします。この施設は、津波で4階まで浸水した気仙沼向洋高校の旧校舎を、震災遺構としてありのまま残したものです。
地震当日、学校には170人の生徒がいましたが、教員たちの機転で迅速に高台へと避難し、全員が無事でした。校舎に残った一部の教員や工事関係者も、屋上に避難して無事でした。
「伝承館」に来た人は最初に、300インチの大型スクリーンで、実際の津波の映像を見ます。映像には被災者の生々しい肉声も、そのまま記録されています。旧校舎内には、「破壊された教室」、「津波で流されてきた車」などがそのまま残り、津波の脅威をまざまざと感じさせられます。震災の記憶を後世に伝え、防災教育の拠点となることが期待される施設。震災から8年がたち、風化も進む中、伝承館に込められた思いや震災遺構のあり方について、館長の佐藤克美さんに話を聞きます。

関西で開催される3・11関連のイベント
「LOVEフェス3.11」
http://lovefes311.com/

「3.11 from KANSAI 2019」
http://www.311-kansai.com/

「ミホプロジェクト祈りのコンサート」
https://mihoproject.wordpress.com/


西村愛のひとこと
佐藤館長は、生まれも育ちも気仙沼。震災当時は、気仙沼市の土木課の職員として瓦礫の撤去をされていたそうです。『街は復興に向けて進んでいる。でも、記憶の風化も感じられる』と佐藤さん。気仙沼は海の幸も美味しいお酒もあります!気仙沼の魅力も楽しみながら、伝承館へ防災を学びに行きましょう!

第1163回「アウトドアの知恵を生かした防災」
ゲスト:アウトドア防災ガイド あんどう りす さん

災害が相次いだ昨年、リスナーの皆さんから多くの被災体験談が番組に寄せられました。台風による停電の際には、「キャンプ用品が役立った」という声も聞かれました。そこで今回は、アウトドア防災ガイドのあんどうりすさんをゲストに迎え、リスナーの皆さんの被災体験を交えながら、アウトドアの知恵を生かした身近な防災対策をご紹介します。
あんどうさんは、「防災中心の生活は長続きしません。いかに普段の生活のなかに災害対策を取り入れるかを常に考えています」と話します。また、防災をマニュアルとして覚えるのではなく、仕組みを知っておくことで臨機応変に対応できると言います。
停電で小さな灯りしかない場合、どうすれば部屋全体を照らせるのか?避難する時の荷物はどのように持てば軽くなるのか?災害直後のトイレの使い方は?等々、普段の生活にも取り入れられる防災の知恵を、あんどうさんにお聞きします。
 
千葉猛のひとこと
「地震災害の時、マンションでは水洗トイレの水に注意。配管を確認しないですぐに、ためている水で流してはいけない」というお話は大きく印象に残りました。使える水さえあれば汚物は流してしまえると思い込んでいたのですが、やはり非常時のために簡易&携帯トイレを備蓄することが重要なんですね。

第1162回「障害者と中学生が一緒に避難訓練」
取材報告:亘 佐和子 記者

 被災地の障害者の生活再建を支援するNPO法人「ゆめ風基金」は、障害者の命を守る「防災」にも力を入れています。「中学生プロジェクト」では、障害者と中学生が一緒に避難訓練をします。昼間に災害が起こったとき、地域の大人たちは不在のことが多く、地元で最も頼りになるのが中学生だということで、タッグを組んでともに助かろうという試みです。
先月、大阪府の茨木市立豊川中学校で行われた「中学生プロジェクト」を取材しました。中学生5~6人のグループに障害者がひとり入って班をつくり、2階の教室から1階の体育館まで一緒に避難します。車いすの人、知的障害者、盲ろう者など、さまざまな障害者が参加しました。「障害者と話すのは初めてで緊張していたけど、話してみたら楽しかった」「次はもっとスムーズに手伝えるようにしたい」と、訓練を終えた中学生は語りました。普段から地域の障害者と言葉を交わし互いを知っておけば、災害時に適切な支援ができることも学びました。訓練の模様を番組ディレクターが報告します。
 
西村愛のひとこと
「きっと、こうしたら、うまく行くんやろうな」だけで動いてはいけないんですよね。ちゃんと目を見て会話を楽しむ事。わからなければ素直に聞く!これが大切ですね。コミュニケーションの取り方は全然違う。"触手話"も初めて知りました。日頃から挨拶をしたり、なにげない会話を大切にしたいですね。

第1161回「南海トラフ地震に備えて~"半割れ"避難」
ゲスト:名古屋大学 教授 福和伸夫さん

30年以内の発生確率が70%~80%とされる「南海トラフ巨大地震」に向けて、去年12月、政府が新たな対応方針を発表しました。ポイントとなるのは、震源域の半分でM8クラスの地震が起きた「半割れ」の場合に、残り半分の地域にも避難を促すということです。被害が発生していなくても、津波の危険性が高い沿岸部では1週間の避難。それ以外の地域でも、高齢者や障害者に自主避難を促す方針です。企業や自治体には、警戒レベルを上げての事業継続を求めるなど、「社会を維持する」役割が求められます。
過去の記録では、東側の地震から32時間後に西側で地震が起きたケースもあれば、2年後 という場合もあり、経過日数にはバラつきがあります。一体どこに避難すればいいのでしょうか。避難所は足りるのでしょうか。「空振り」になる可能性も高い中、この指針を私たちはどう受け止めればいいのでしょうか。対策をまとめた中央防災会議の作業部会で主査を務めた名古屋大学の福和伸夫教授に話を聞きます。
 
千葉猛のひとこと
いざというときに逃げ遅れるかもしれない可能性が高い災害弱者の方々の命を守るために「半割れ」ケースの早めの避難があるということが、今日のお話でわかりました。東日本大震災の津波を思い出しますと、たとえ避難が空振りになってもいい。1人でも多くの命が守れる可能性があるのならばと思います。

第1160回「シリーズ阪神・淡路大震災24年【5】~被災障がい者を支える」
ゲスト:NPO法人「ゆめ風基金」理事 八幡隆司さん

障害者は災害時の避難がたいへんなだけでなく、その後の生活再建でも大きな困難を抱えます。NPO法人「ゆめ風基金」は、阪神・淡路大震災で被災した障害者を支えようと、1995年6月に発足。全国から寄付を募り、東日本大震災、熊本地震、去年の西日本豪雨など数々の被災地に、この24年間で4億6000万円を超える支援を行いました。障害者関連の事業所の再建支援、個人への車いすや生活物資の提供、通院・買い物の手助けなど、その支援は多岐にわたります。


何度も被災地に入っている事務局長の八幡隆司さんは、「現地で障害者を見つけるのに時間がかかる」と話します。避難所はバリアフリーでないところが多く、居住スペースも不十分です。そのため障害者は、壊れた自宅に戻ったり、親せきや知人の家を転々とすることになります。最大の問題は、日常生活の中で障害者と健常者の接点がなく、障害者が助けを求められる人が地域にいないことです。被災地で障害者が生活するためにどんな支援が必要か、八幡さんに話を聞きます。


NPO法人「ゆめ風基金」
https://yumekazek.com/


西村愛のひとこと

大きな災害が起きると避難所へ行き、障がい者の方を探し出す所から始まる『ゆめ風基金』の支援。心の距離が近いあたたかな支援の数々。素敵だなぁと思いました。
被災地で障がい者の方が生きやすくなるには?『地域との関わりを持つこと』と八幡さん。私もまずは、あいさつから始めてみたいと思います!

第1159回「シリーズ阪神・淡路大震災24年【4】〜変化するボランティアの形」
ゲスト:大阪大学 教授、認定NPO法人「日本災害救援ボランティアネットワーク」理事長
    渥美公秀さん

阪神・淡路大震災の発生後、全国各地から多くの人たちが被災地に入り、支援活動を行いました。震災発生の1995年は「ボランティア元年」とも呼ばれました。今では、大災害発生後のボランティアは、被災地で欠かせない存在となっています。
この24年間で災害ボランティアの形は大きく変化してきました。95年当時は、ボランティアを統括する組織もあまり無く、さまざまな立場の人がバラバラに被災地に入り、その場で必要なことを探して支援していく活動が目立ちましたが、現在では、まず被災地の社会福祉協議会が「災害ボランティアセンター」を立ち上げ、被災者からのニーズに応じて、ボランティアに仕事を割り振っていく形が一般的です。しかし、ボランティアに慣れていない人が参加しやすくなった一方、困っている人全体に支援が行き届いていない現状があります。阪神・淡路大震災で被災し、研究者でありながら自らも災害ボランティアの第一線で活動している大阪大学の渥美公秀教授は、「秩序化されたボランティアだけが席巻し、支援のバランスが崩れている」と話します。
渥美教授をゲストに迎え、24年間で変化してきたボランティアの現状と今後の課題について聞きます。

千葉猛のひとこと

ボランティアの参加の仕方は一つではなく、いろんな形があっていいんですよね。大切な
のは被災地に思いを寄せて、実際に行動を起こすことではないかと感じます。現地を自分
の目で見て、感じなければわからないことがあります。きっとボランティア経験は自分自
身の人生にも影響を与えることになります。

第1158回「シリーズ阪神・淡路大震災24年【3】〜長田の街に届ける歌声」
取材報告:西村愛キャスター

今週は西村愛キャスターの取材報告です。阪神・淡路大震災の発生から24年となる今月17日、神戸の東遊園地では、「1・17のつどい」が行われました。追悼の祈りをささげた遺族や市民に、震災24年の思いを聞きました。
また今月13日には、震災メモリアルの「NAGATAゴスペルコンサート」を取材しました。亡くなった方への鎮魂の思いを込めて、2001年から毎年1月17日前後に開催されているコンサート。西村キャスター自身もクワイヤーのメンバーとして参加したことがあります。クワイヤーの指導者だったミュージシャンのボビー原さんは、2005年に56歳の若さで亡くなりましたが、生前、「被災から時間が経った時こそ、歌の力が必要だ」と話していました。その遺志を継いだメンバーは、神戸だけでなく、さまざまな被災地で慰問公演を行っています。ゴスペルは震災24年を迎えた神戸の人たちにどう響いたのか、じっくりとお伝えします。
 
西村愛のひとこと
被災した方、周りで支えた方、それぞれの24年。悲しくて思い出したくない事もあるかと思います。でも、話して下さった事に感謝です!皆さんの想いに触れて語り継ぐことの大切さを実感しました。これからの災害に対しても、今一度、対策を。私も幼い息子と絵本を通して考えていきたいと思います。