第1264回「阪神・淡路大震災26年【3】~神戸・東遊園地から生中継」
電話:神戸大学2年生だった息子を亡くした 加藤りつこさん

阪神・淡路大震災の発生からちょうど26年となる1月17日の放送は、西村愛キャスターの神戸・東遊園地からの生中継です。新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が発令される中での「1・17のつどい」。来場できない人たちも思いを届けられるように、実行委員会がメッセージを募集したところ、約8000枚が集まりました。メッセージは紙灯篭に使われ、今年は「がんばろう・1・17」の文字のかたちに並べられます。
 番組では、会場に来ることができなかった遺族の声も伝えます。広島市に住む加藤りつこさんは、神戸大学の2年生だった息子の貴光さん(当時21歳)を震災で亡くしました。毎年1月17日の早朝は東遊園地で迎えていましたが、今年は断念し、広島で静かに手を合わせます。オンライン会議システム「Zoom」で東遊園地とつないで黙とうができるということで、「コロナの影響で、新しい追悼のかたちが始まった気がする」と話します。
 感染防止に気を使いながら、それぞれが迎える祈りの時間。紙灯篭に思いを書いた人たちのインタビューや、番組リスナーのメッセージも紹介しながら、コロナ禍の追悼行事を生放送で伝えます。
 
西村愛のひとこと
丸26年の1.17。被災した方が「2階で寝ていたから助かった」「ベッドの上にある掛け時計を外しておいてよかった」「窓が割れて辺り一面ガラスの破片だらけ。靴があればよかった」。大変でしたねで終わるのではなく、みなさんのお話を私たちの命を守るヒントとして大切に学んでいきたいと思います。

第1263回「阪神・淡路大震災26年【2】~亡くなった息子へ」
電話:福岡県太宰府市在住 船越明美さん

去年1月17日、兵庫県宝塚市に阪神・淡路大震災の犠牲者の名前を刻んだ「追悼の碑」が完成しました。きっかけになったのは、震災で息子を亡くした女性が市役所に送った手紙でした。「息子は、9カ月という短い間でしたが、宝塚の地で充実した日々を送っていたことでしょう。鎮魂の碑で名前を残していただけないでしょうか。」
手紙を書いたのは、福岡県太宰府市の船越明美さん。明美さんの次男の隆文さん(当時17)は、プロ棋士を目指して親元を離れ、宝塚在住の師匠の家の近くで一人暮らしをしていました。震災発生の前夜、電話で「僕、もっとがんばるけん」と明美さんに話し、「あす朝は早いから起こしてね」と言って電話を切りました。翌朝、明美さんが何度電話してもつながりません。アパートが倒壊し、亡くなっていたのです。
悲しみに暮れる明美さんが、ようやく宝塚に行けるようになったのは9年後。それ以来、1月17日には現地を訪れて手を合わせていました。しかし、今年は新型コロナの感染拡大で、宝塚に行くことはあきらめています。「夢を持って努力していた隆文のことを知ってほしい」と語る明美さんに、電話で話を聞きます。
 
西村愛のひとこと
[追悼の碑]には、それぞれの遺族の想いが込められています。「夢を持って努力をしていた隆文のことを、みんなに覚えていてほしい」と語った母、明美さん。
大切な人を悲しませないよう、命を守るためにできること。私もゆずり葉緑地に行き[追悼の碑]の前で手を合わせ、改めて考えました。

第1262回「阪神・淡路大震災26年【1】~10代の語り部たち」
ゲスト:「1.17希望の架け橋」代表 藤原祐弥さん
               副代表 村田陽菜さん     

阪神・淡路大震災の発生からまもなく26年を迎えます。記憶の風化が叫ばれる中、震災を知らない世代の若者たちが立ち上がりました。若い世代で震災の記憶を伝えていこうというグループ「1.17希望の架け橋」が、昨年10月に発足。メンバーは、15歳~21歳の21人で、全員が震災後に生まれています。代表を務める会社員の藤原祐弥さん(18)は、神戸市長田区出身。建設会社社長として震災復興事業にも携わった祖父の経験談を親族から聞いてきましたが、その経験を伝えていく場がないことにもどかしさを感じ、同じ思いの若者を集めてグループを設立しました。
12月初旬、神戸ルミナリエの代替事業が行われた東遊園地(神戸市中央区)で、グループとして初めての本格的な活動を行い、写真パネルなどを使って来場者に震災を伝えました。会場では、藤原さんと同じように震災を経験していない世代の人たちが、熱心に写真をのぞきこむ姿が見られました。
藤原さんは、「はじめは不安もあったが、被災した方々から、『若い人にどんどん震災のことを語り継いでほしい』と言っていただいた。自分たちの姿を見て、震災を経験していない世代の人が率先して語り継ぎに参加してほしい」と語ります。
藤原さんとグループ副代表の村田陽菜さんをスタジオに迎え、語り部としての思いや、活動の中で感じたことを聞きます。

西村愛のひとこと
藤原さんのおじいさまは被災し、復興事業にも関わっていらしたそうです。住宅の解体は通常1日で終わる作業が3日も。それは住んでいた方が思い出の品を涙ながらに取り出していたから...。三重出身の村田さんも知らないからこそ、素直な気持ちでまっすぐ向き合う。世代を越えた心のつながりに感動しました。

第1261回「コロナの2020年をふり返る【2】~変わる避難のかたち」
オンライン:兵庫県立大学減災復興政策研究科 教授 室崎益輝さん

新型コロナウイルスの感染拡大は、災害が起きた際の避難の考え方にも大きく影響を及ぼしました。避難所では、避難者同士の間隔をこれまでより広くとる必要があり、収容人数は大幅に減少します。指定避難所に行く人をなるべく少なくするため、「分散避難」の重要性が叫ばれました。在宅避難ができるように個人が備えておくことも必要です。
みなさんは、感染症が拡大する中で、どう備えを進めましたか?防災対策や意識は変わりましたか?リスナーのみなさんに尋ねたところ、「避難所は人が密集して感染が怖いので在宅避難にしたい」「在宅避難に備え、ポリ袋調理を試してみた」「感染防止のため非常持ち出し袋にマスクや消毒液を追加した」など、たくさんのメッセージが寄せられました。2020年最後の放送では、兵庫県立大学減災復興制度研究科の室崎益輝教授とオンラインでつなぎ、リスナーのメッセージを紹介しながら、感染症まん延の中での避難のあり方について考えます。
 
西村愛のひとこと
今年は新型コロナで避難のかたちも変わりましたが、大切なことは今までと同じ。ご近所の方々とのコミュニケーションを!感染症対策の大切さはコロナ収束も続きます。今年気づいた新たな視点を、今後の避難に生かしていきたいですね。たくさんのお便りありがとうございました!よいお年をお迎え下さい。

第1260回「コロナの2020年をふり返る【1】
                ~変わる支援のかたち」
ゲスト:被災地NGO恊働センター 代表 頼政良太さん

感染症の拡大により、社会が大きく変貌した2020年が終わろうとしています。
新型コロナウイルスは、災害支援にも大きく影響をおよぼしました。九州を中心に各地で大きな被害を出した令和2年7月豪雨は、一旦おさまっていた感染者数が再び増加しはじめた時期に発生し、被災地ではボランティアの受け入れを県内在住者に限定しました。泥出しや片付けなどのマンパワーは不足。被災地での活動経験が豊富な支援者らは、支援方法を模索しました。
そんな中、神戸のボランティア団体「被災地NGO恊働センター」は、現地の団体と連携して、被災者と支援の専門家をつなぐ「オンライン相談会」を7月と8月に開催しました。参加した弁護士は、住宅再建について質問する被災者に「後からいろいろな補償制度が出てくるので、修理は急がないでください」などとアドバイスしました。ふだんなら一堂に会することが難しい全国の専門家がオンラインを通じて集まり、各地の被災地の事例を提示できる機会にもなったといいます。
番組では、「被災地NGO恊働センター」代表の頼政良太さんをゲストに迎え、感染症流行下における新たな支援のかたちについて聞きます。]

被災地NGO恊働センター
http://ngo-kyodo.org/
 
西村愛のひとこと
被災後は家の再建をはじめ様々な問題が頭を悩ませます。ただでさえ不安なのに、新型コロナウイルスの蔓延でさらに不安な日々。そんな中で開催された、オンライン相談会。被災地から全国各地の専門家に相談ができるのは心強いです。「ピンチをチャンスに変えていく」
この気持ちが大切ですね!

第1259回「東日本大震災まもなく10年~被災地を見つめたドキュメンタリー」
ゲスト:映像作家 小森はるかさん

来年3月11日で東日本大震災の発生から10年。現在、岩手県陸前高田市の災害FMラジオのパーソナリティを見つめたドキュメンタリー映画「空に聞く」が、公開されています。
映画を手がけたのは映像作家の小森はるかさん。震災当時は学生で、ボランティアをきっかけに岩手県に移住。被災後にラジオパーソナリティをつとめた阿部裕美さんを主人公に、変化し続ける街とそこに住む人たちの営みを静かに見つめて映像作品にまとめました。小森監督は「新しくできていく陸前高田の風景を見て何を感じるか、映画を見てくださる皆さんに委ねたい。阿部さんの声を聞いて、それぞれに思いを馳せてほしい」と話します。
番組では小森はるか監督をゲストに迎え、同映画への思いや被災地を見つめ続けて感じたことを聞きます。

西村愛のひとこと
字幕もない、ナレーションもない、ここまでシンプルなドキュメンタリーは初めて観ました。最初は「なぜ、説明がないんだろう?」と思いました。でも、阿部さんのインタビューを聴いていると、優しい語り口から、イメージが浮かび、シーンがつながっていく。文字は必要なかったんだなと感じたんですよね。
変わりゆく震災後の町、人の心。それらを映像に残して多くの人に伝えたい!と、移住をしてカメラをまわして下さった小森監督や、ご自身の想いを語ってくださった阿部さんに感謝です。
また映画館で、じっくり観たいな。そして、『空に聞く』を観た皆さんと語り合いたいです!

第1258回「レスキューナースが教える新型コロナ防災」
電話:国際災害レスキューナース 辻直美さん

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻さを増し、大阪府は独自基準「大阪モデル」で非常事態を示す「赤信号」を初めて点灯させました。医療崩壊を防ぐためには、私たちひとりひとりが感染防止に努めることが大切です。災害に備えて、感染防止グッズを備蓄し、非常用持ち出し袋に入れておくことも忘れてはなりません。
国際災害レスキューナースの辻直美さんは、数々の被災地での活動経験を踏まえて、感染防止に役立つ知識を伝えています。災害が起きると物流がストップするので、3週間分の衛生用品を備蓄したほうがよいと言います。不織布のマスクは50枚程度あれば安心で、手指消毒には逆性石けんの原液を薄めたものを使えば、引火の心配がなく、手も荒れません。手洗いには固形石けんや紙石けんが場所を取らないので便利。断水しても口腔内の清潔を保てるよう、マウスウォッシュも必要です。ハンドクリームやリップクリームなどの保湿アイテムも、感染リスクを下げるのに有効です。
そして何よりも、食べて、寝て、笑って、免疫力を上げるのが大切だと辻さんは言います。不安をやわらげ、気持ちを上げる術を持ちましょう。「レスキューナースが教える新型コロナ×防災マニュアル」(扶桑社)を出版した辻さんに、コロナ禍での災害に備えた感染予防法を聞きます。

「レスキューナースが教える新型コロナ×防災マニュアル」
https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594086282

西村愛のひとこと
コロナ禍での在宅避難の備蓄に、こんなにも消毒アイテムが必要だとは!びっくりしました。免疫力を上げるためのテクニック→3秒(嗅覚)、30秒(触覚)、3分(視覚)で気持ちを上げられるものを!私なら、ラベンダーのアロマ/子どものほっぺた/絵本かなぁ。あなたなら、何を選びますか?

第1257回「コロナ禍で迫られる在宅避難」
電話:災害対策研究会 主任研究員 釜石徹さん

新型コロナウイルスの感染が再び拡大している今、大地震などの災害が発生し、被災したらどうすればよいでしょうか。いわゆる「3密」状態になることが懸念される避難所に行くことは、できれば避けたいものです。そのためには、在宅避難を想定して備えておく必要があります。
マンションの防災対策に詳しい、災害対策研究会主任研究員の釜石徹さんは「マンションは地震に強く、在宅避難できる可能性が高い。長期の停電を想定して10日分の備えをしてほしい」と呼びかけています。備えの重要な要素が「食料」ですが、災害用の非常食を10日分備える必要はないといいます。ふだん食べている米、乾麺、ホットケーキミックス粉などの家族分の必要量を計算して主食のローリングストックを行い、缶詰やレトルト食品、冷蔵庫に残っている食材等で補えば、無理なく備えができます。また、釜石さんは、災害時に簡単にできるポリ袋調理を推奨しています。いつも料理を作ってくれている人が災害時にいるとは限りません。釜石さんは、「簡単なポリ袋調理を覚えて、家庭の防災力を上げてほしい」と話します。
番組では、釜石さんに電話をつなぎ、在宅避難に必要な備えのポイントと実践方法を聞きます。

釜石徹さんの著書
『マンション防災の新常識~逃げずに留まる「在宅避難」完全ガイド』
https://www.godo-forest.co.jp/book/b548591.html

西村愛のひとこと
ポリ袋調理、手軽に料理をすることができて便利ですね!洗い物も少ないし時短にもなる。お米や乾麺、ホットケーキミックス。普段使う食材で、災害時でも家族が笑顔になる簡単メニュー作り!コロナ禍での在宅避難に心強いです。皆さんのおすすめメニューは何ですか?

第1256回「原発事故から子どもを守る『応援カレンダー』」
ゲスト:一般社団法人「応援カレンダープロジェクト」 代表 水戸晶子さん
電話:一般社団法人「リボーン」代表 後藤由美子さん

福島の原発事故から来年で10年。今も放射線被ばくを避けるために避難生活を続ける人たちが大勢います。
原発事故の影響を受けやすい子どもたちを守ろうという目的で作られたカレンダーがあります。「12人の絵本作家が描く応援カレンダー2021」(一部1000円)で、趣旨に賛同した長谷川義史さんや田島征彦さんら12人の絵本作家が描いた子どもや動物たちの絵が、月替わりで掲載されています。 カレンダーの販売収益は、福島から全国に避難移住する親子の支援を続ける一般社団法人「リボーン」(兵庫県市川町)に贈られます。
福島県ではここ数年、避難指示が次々と解除されていて、避難指示区域外から避難しているいわゆる「自主避難者」に対する政府の家賃補助は打ち切られてしまったので、避難者の生活は厳しさを増しています。原発事故で多くの人が平穏な日常を奪われ、その影響が今も続いていることを、私たちは忘れてはなりません。
番組では、「応援カレンダープロジェクト」代表の水戸晶子さんと、収益寄付先の「リボーン」代表の後藤由美子さんに、福島の子どもたちの避難移住の現状や、関西に住む私たちができることを聞きます。

一般社団法人 応援カレンダープロジェクト 
https://12ehoncalendar.com/

 
西村愛のひとこと
もう10年ではなく、まだ10年。健康面も経済的な問題も、避難移住をされている親子にとって、大変な状況は今後も続いていきます。まずは、知ること、向き合うことから始めよう。その入り口に「12人の絵本作家が描く応援カレンダー」を!私も家族や友人と語り合うための1歩にしたいと思います。

第1255回「東日本大震災からの復興~女川のいま」
電話:宮城県女川町のかまぼこ店「高政」四代目社長 高橋正樹さん

来年3月11日で東日本大震災の発生から10年を迎えます。町の7割以上の建物が津波で流失した宮城県女川町では、復興計画の工事がほぼ完了しました。あたらしいまちづくりへと動きだす中、秋には毎年数万人の人出でにぎわう「おながわ秋刀魚収穫祭」が予定されていましたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止することになりました。
そこで、女川町のまちづくりに携わる人たちは、今月7日、初めてのオンラインイベントを開催。伝統神事の獅子舞演舞の披露や、現在の女川町の街並みや店舗の紹介、今年完成した震災遺構「旧女川交番」の紹介などが行われ、動画は3000回以上視聴され、全国からメッセージが寄せられました。
被災から10年を前にした女川町はいま、どのような状況なのでしょうか。オンラインイベントの司会もつとめた、同町のかまぼこ店「高政」代表取締役社長の高橋正樹さんに電話を繋いでお話を聞きます。

「女川つながる感謝祭」
http://2020live.onagawafm.jp/

西村愛のひとこと
子どもたちの意見を尊重し、遺すことを決めた旧女川交番。大人が考えつかない意見を、それもいいね!と、受け入れた方々の懐の深さが素敵だなと感じました。過去にも向き合いながら、前を向いて力強く歩む女川の魅力が伝わってきて、私も高橋さんや町の皆さんに会いに行きたくなりましたよ!