第1122回「四川大地震10年〜神戸のNPO法人が防災体験施設に協力」
ゲスト:NPO法人「プラス・アーツ」神戸事務所長 室崎友輔さん

2008年に発生し、8万7千人を超える死者・行方不明者を出した中国の四川大地震から、今月12日で丸10年を迎えました。国主導のインフラ整備が進められ、2012年に復興完了が宣言されましたが、風化を防ぐ意味でも震災をどう伝えるのかが課題になっています。
そんな中、神戸のNPO法人「プラス・アーツ」が協力した子ども向けの防災体験学習施設が、10月に現地で開館する予定です。地震発生から避難までをツアー形式で体験できるよう構成され、地震の瞬間が体験できる映像シアターや地震直後の町のジオラマ、応急手当てなどを学べるワークショップなど内容も多彩です。経験を後世に伝えるだけでなく、子どもを通じて親世代の防災意識を高めるのも狙いの1つです。「阪神・淡路大震災の知識や教訓を、中国にも広げたい」と語るNPO法人「プラス・アーツ」神戸事務所長の室崎友輔さんに話を聞きます。
 
(番組内容は予告なく変更する場合があります)

第1121回「増加する土砂災害から命を守るには」
ゲスト:国土交通省 近畿地方整備局 紀伊山系砂防事務所長 吉村元吾さん

近年、各地で大規模な土砂災害による被害が相次いでいます。昨年7月の九州北部豪雨では、猛烈な雨により広い範囲で土石流が発生し、死者・行方不明者は、41人(災害関連死を除く)にのぼりました。
直近10年の土砂災害発生件数は、年平均で1,000件を超えています。しかし、これほど身近な災害でありながら、土砂災害に対する世間一般の意識は高いとは言えません。土砂災害は、発生の危険性の高まりが外見的にわかりづらく、いつ・どこで発生するかを予測することや、土砂が動き出してからの避難は極めて困難です。平常時から、住んでいる地域が土砂災害の恐れがある場所かどうか知っておく必要があります。また、土砂災害の危険性が高まった際に発表される「土砂災害警戒情報」などを元に、早めの避難が必要となります。
番組では大雨の時期を前に、国土交通省近畿地方整備局・紀伊山系砂防事務所長の吉村元吾さんをゲストに迎え、近年の土砂災害の特徴や命を守るために必要なことを聞きます。

千葉猛のひとこと
もしあなたの住んでいる地域に「土砂災害警戒情報」が出されたら、危険が近づいているということです。すぐに命を守る行動をとってください。この情報はMBSラジオでもすみやかにお伝えしますので、大雨などで土砂災害の危険が考えられるときは、深夜でもラジオのスイッチは切らずに聞き続けてくださいね。

第1120回「ラジオパーソナリティが消防団をPR」
ゲスト:ラジオパーソナリティ、京都市北消防団・予防広報班 木村博美さん

今回は「消防団」がテーマです。火災予防から災害発生時の救助活動など、地域を守る消防組織の要である消防団ですが、近年 特に若い世代の担い手が減少し、どの地域でも団員集めに苦労しているのが現状です。
そんな中、去年8月 京都市北消防団は、活動をPRする「予防広報班」を新設し、コミュニティーラジオ番組の女性パーソナリティ2人を、団員として迎え入れました。2人は、ラジオ番組で折にふれて防火・防災情報を紹介しているほか、消防団について広く知ってもらうために、団員をスタジオに招いて、仕事の中身や「やりがい」についてインタビューもしています。さらにスタジオだけにとどまらず、消防団のイベントで司会を務めたり、普段の訓練や五山の送り火の消火作業など実際の活動を取材したりもしています。
「大変そう」というイメージから、敬遠されがちな消防団員の仕事ですが、その役割を知ってもらい加入を促すためには、どんな取り組みが必要なのでしょうか。ラジオパーソナリティーで京都市北消防団・予防広報班の木村博美さんに話を聞きます。

西村愛のひとこと
五山の送り火の消火活動に、地域の消防団の方も参加されているとは!京都ならではの活動にびっくりしました。若い大学生が参加して大学に防災サークルができたのも素晴らしいですね。明るくて、わかりやすい木村さんのお話を聞いて消防団がより身近な存在になりました!!

第1119回「5月から注意!熱中症」
ゲスト:MBSお天気部 気象予報士 吉村真希さん

今週は、関東で最高気温が30℃を超える真夏日もありました。3か月予報を見ても、今年は暑さが前倒しにやってきそうです。まだ5月ですが、実はこの時期、熱中症で病院に搬送される人は多いのです。体が暑さに慣れていないため、発汗がうまくできず、体温調節が難しいためです。特に汗腺の発達していない乳幼児や、体力のない高齢者は要注意です。
今回はMBSお天気部の吉村真希さん(気象予報士)に、「暑さ指数」について聞きます。暑さ指数は環境省の熱中症予防情報サイトで公開されていて、2日先までの予想値を確認することができます。単位が気温と同じ「℃」なので、少しわかりにくいのですが、湿度の影響が大きく、気温よりも体感温度に近い値です。同じ気温でも、暑さ指数が高い日のほうが、熱中症の危険性が高くなります。環境省のサイトでは、危険の度合いが、低いほうから青、緑、黄色、オレンジ、赤の5段階に色分けされていて、暑さ指数が25℃を超えると黄色で「警戒」になります。31℃以上だと赤で「危険」で、外出や運動は避けたほうがよいということになります。サイトに登録すればメール配信もあるので、熱中症の危険性をあらかじめ知ることができます。夏を前に、暑さ指数についての知識を得たうえで、対策を立ててみてはいかがでしょうか。
 
環境省 熱中症予防情報サイト
http://www.wbgt.env.go.jp/
 
千葉猛のひとこと
今年の夏は暑いそうです。熱中症対策、すぐに進めておきましょう。去年は我が家の愛犬が熱中症になって大変でした。そりゃ毛皮着ているから暑いですよね。ペットの対策も忘れずにしてあげてくださいね。番組で吉村さんが紹介してくれた「環境省熱中症予防情報サイト」は情報の宝庫です。ぜひアクセスを。

第1118回「東日本大震災の語り部タクシー」
取材報告:千葉猛キャスター

大型連休に入り、東北地方を旅行される方もいらっしゃることでしょう。今回の番組では、観光しながら東日本大震災の記憶を辿ることができる「語り部タクシー」についてお伝えします。
「語り部タクシー」は、宮城県タクシー協会に加盟するタクシー会社が2012年からはじめたもので、講習を受けたドライバーが東日本大震災の爪痕が残る場所へ案内し、当時の被害や状況を説明するサービスです。
震災発生から7年が経ち、被災地には当時の状況がわかる建物や風景も少なくなりました。震災前、ここにどんな生活があり、どのように失われたのか。一見しただけではわからない“震災の記憶”を、語り部を担当するドライバーは、当時の写真などを使いながら丁寧に伝えます。語り部としてこれまで100人以上を案内してきた仙台中央タクシーのドライバー、菊池正夫さん(67)は、「震災を思い出して言葉に詰まることもあるけれど、風化させないためにもちゃんとお話ししたい」と語ります。
ドライバーらの強い思いで続けられている語り部タクシーについて、取材した千葉猛キャスターがお伝えします。
 
西村愛のひとこと
ご自身も被災された運転手さんが、語り部を務める『語り部タクシー』。ご自宅が全壊になり、お兄様ご夫妻を津波で亡くされ、辛いことも思い出す事もあるけれど「語らなきゃ前に進めない」という言葉が印象的でした。運転手さんだからこそ知る場所やお話、私も聞いて、訪れてみたいです!

第1117回「熊本地震2年〜関連死はなぜ増えたのか」
ゲスト:兵庫県立大学大学院・減災復興政策研究科 教授 室埼益輝さん

熊本地震から2年がたちました。今回のテーマは「災害関連死」です。災害関連死とは、建物の倒壊や津波などの直接的な被害ではなく、被災による急激な環境変化など間接的な原因で死亡することをさします。熊本地震では、直接的な被災による死者50人に対し、関連死による死者は今年4月時点で217人と、4倍以上にのぼります。さらに現在も認定を待つ人が70人近くいて、未だに増え続けています。
熊本地震では、2度にわたって震度7の大きな地震に見舞われた不安などから、避難所に一時、多くの住民が集まり、環境が劣悪になりました。そのため、車中泊や自宅の軒先での避難生活に切り替えた人も多く、「エコノミークラス症候群」で死亡する人が出てきてしまいました。また、福祉避難所が想定通り機能しなかったことや、病院の損壊により適切な治療を受けられなかった人が多かったことも、関連死が増えた原因とされています。
「防ぎえた死」とも表現される災害関連死を無くすためには、どのような対策が必要なのでしょうか。この問題に詳しい兵庫県立大学大学院・減災復興政策研究科の室埼益輝教授に聞きます。
 
千葉猛のひとこと
災害関連死は対策をとれば防げます。災害発生に備えて避難所の環境改善は緊急に取り組まなくてはいけない課題です。また熊本地震発生から2年もたっているのに、いまも軒先避難の人がいるという状態は驚きでした。地震を越えて助かった命が、生活環境の悪化で失われるのはあってはならないことです。

第1116回「熊本地震2年〜阿蘇に通い続ける大学生の語り部たち」
取材報告:新川和賀子ディレクター

熊本地震の発生から今月14日で丸2年を迎えます。16日の本震で大きな被害を受けた熊本県南阿蘇村の黒川地区は、東海大学農学部の阿蘇キャンパスがあり、下宿していた学生3人が倒壊したアパートの下敷きになり亡くなりました。
震災後、阿蘇キャンパスは閉鎖され、下宿していた約800人の学生たちは黒川地区を離れざるを得なくなりました。突然断たれてしまった黒川地区住民との繋がりを取り戻そうと、東海大学の学生たちは「阿蘇の灯」というグループを立ち上げ、熊本市内から南阿蘇村に通い、住民と交流を続けてきました。昨年2月からは語り部活動をはじめ、南阿蘇村を訪れる人たちに災害の記憶を伝えています。地震発生から2年が経ち、新2年生と1年生は熊本地震を経験していません。しかし、先輩から地震の経験談を聞いた2年生が、語り部活動の引き継ぎを始めています。
黒川地区からは学生の姿が消え、多くの住民も仮設住宅で生活していますが、下宿「新栄荘」の大家、竹原伊都子さん(57)は、「子どもたちがここに通いつづける限りは、関わっていきたい」と話し、解体予定だった下宿の建物を残して学生の支援をしています。
熊本地震から2年を迎える黒川地区を取材した、番組ディレクターが報告します。
 
「阿蘇の灯」facebookページ
https://ja-jp.facebook.com/%E9%98%BF%E8%98%87%E3%81%AE%E7%81%AF-%E3%81%82%E3%81%9D%E3%81%AE%E3%81%82%E3%81%8B%E3%82%8A-1828562040753789/
 
「阿蘇の灯」問い合わせ電話番号
080−2696−7416


西村愛のひとこと
親元を離れて、大学生活を送る中で起こった熊本地震。当時住んでいた下宿先が地震でなくなった今でも『ただいま』『おかえり』が言える場所と人がいらっしゃること。そして後輩へと受け継がれていく語り部の活動も素敵だなぁと思います。地震への備えについても、改めて向き合わなければと考えさせられました。

第1115回「大学生が開発した防災袋」
ゲスト:大阪市立大学商学部4年生  池田聖さん 横尾裕貴さん

今回は大阪市立大学の学生が開発した防災袋「AIR POST(エアー・ポスト)」を紹介します。エアー・ポストは、商学部の学生が製作しました。「大学のブランド力を上げるグッズを開発してほしい」と大学の広報室からゼミに依頼があり、南海トラフ巨大地震の被害想定地域にキャンパスがあることから、防災袋にしようと決め、開発に取りかかりました。
開発にあたっては、市場調査に加えて学生300人以上にアンケートを行い、さらに熊本県や神戸市にも赴き、被災した学生への聞き取りを実施しました。その結果、ほとんどの学生が防災袋を持っていないことがわかりました。また、従来の防災袋は部屋に置くとデザインに違和感があり、サイズも大きいことからしまい込まれ、災害時に持ち出せなかったケースが多いことも判明しました。調査結果を反映し、かばん製造会社と連携して「おしゃれさ」と「コンパクト感」を重視したリュックサック型の防災袋を開発。6色のカラー展開を実現し、普段はインテリアとしても使えるよう箱型に変形できるなど、随所に工夫を盛り込みました。
開発に携わった学生をスタジオに招き、「若い人に手にとってもらい、防災を考えるきっかけにしてほしい」と語る思いとこだわりを聞きます。
「AIR POST」は、大阪市立大学の生協で購入できます。 
問い合わせは、大阪市立大学広報室 06-6605-3411 です。

千葉猛のひとこと
「自分の部屋に置いておきたいデザインの防災袋をつくる」という大学生の発想が生み出したバッグ。目立つように「非常用持ち出し袋」と大きく書かないと意味がないと思っていた私にとっては、劇的な発想の転換でした。いざというときのためのみならず普段も使えるという点で、大きなお得感ありですね!

第1114回「シリーズ東日本大震災7年【6】〜仮設住宅を出た後の生活は?」
取材報告:千葉猛キャスター

東日本大震災の被災地では、今も1万3000人が仮設住宅で暮らしています。7年にも及ぶ長期の仮設生活は、これまでの日本の災害史上、例のないことです。
千葉猛キャスターが、宮城県名取市の愛島東部仮設住宅を訪ねました。意外にも多くの住民が「仮設での生活は楽しかった」と言います。それは、仮設から復興住宅に移った後の生活に対する不安の裏返しでもあります。
復興住宅の周りには、病院や買い物ができるところがありません。町として整備されるまでには何年もかかるので、車に乗らない高齢者が生活するのはたいへんです。復興住宅の家賃は入居後段階的に上がるし、仮設住宅に無料で運行されていたバスなども有料になり、これまでかからなかった費用がかかります。
復興住宅の入居者が孤立感を深め、健康を損なったり、孤独死したりする可能性もあります。仮設住宅は近所の人がまとまって入居できましたが、復興住宅ではバラバラになり、顔見知り同士の助け合いは期待できなくなります。見守り活動やコミュニティづくりのサポートなど、対策が必要です。長い仮設住宅での生活を終え、ようやく落ち着くはずの復興住宅で、高齢者を襲うさまざまな問題を考えます。
今回から、西村愛さんが新たにキャスターとして出演します。

西村愛のひとこと
初めての放送、あっという間でした!復興住宅での生活と聞くと、「やっと安心して広いお部屋に。良かったですね!」と思っていましたが、実は様々な不安があるのですね。仮設住宅で生まれた心のつながりが、復興住宅で続くといいのですが…。何か良いアイデアがないか、家族や友人と話してみたいと思います。

第1113回「シリーズ東日本大震災7年【5】〜園児の津波避難を絵本で伝える」
電話出演:岩手県久慈市在住 詩人 宇部京子さん

岩手県野田村の野田村保育所では、東日本大震災で園舎が津波に飲まれながらも園児90人と職員14人の全員が助かりました。毎月1回実施していた訓練通り、園児が避難できたからです。0歳児は保育士がおんぶし、小さな子どもは手押し車に乗せ、大きな子どもは徒歩で、およそ2キロ離れた中学校まで逃げました。
同村出身で詩人の宇部京子さんは、保育所に勤める義妹から園児たちの避難について聞き、文章を書き上げて、絵本「はなちゃんの はやあるき はやあるき」(岩崎書店)を出版しました。絵本には、小さな子どもたちが懸命に逃げて命を守る様子や、津波が村を襲うシーンも大きく描かれています。子どもに不安を与えないよう淡い色合いで絵を描いてもらい、最後には希望を持てる絵本になるように書き上げたと言います。番組では、宇部さんと電話をつなぎ、園児たちの避難のエピソードや絵本を通じて伝えたいことを聞きます。

千葉猛のひとこと
野村朋未さんが、今日で番組を卒業されました。正直、大変寂しいです。ネットワーク1・17は災害や防災情報を伝えるだけではなく「生き方そのものを問う」番組だという野村さんの言葉をしっかり心に刻んで、これからも番組をお伝えしていこうと思います。野村さん、本当にありがとうございました。

野村朋未のひとこと
番組23年の中の2年間ではありますが、たくさんの方からお話を伺って、多くのことを知り、学び、考えてきました。災害について考えるというのは、「自分の生き方」を考えることに繋がっていると感じています。私も自分なりに『伝える』事を続けていきたいと思います。みなさま、本当にありがとうございました。