第1441回「能登の被災地で進まない公費解体」
オンライン:東京都立大学名誉教授(災害復興学)中林一樹さん

元日の能登半島地震により、石川県内では住居や店舗など約4万8000棟が全半壊しました。そのうち2万2000棟が公費解体の対象になると推計されていますが、実際に解体されたのは100棟にも及ばず、復興が進まない要因ともなっています。なぜ解体が遅れているのでしょうか。
公費解体を申請するには、「罹災証明書」など多くの書類が必要です。土地や建物の相続登記をしていない人も多く、所有者の名義が2~3代前となると、関係する兄弟や子どもなど全員の同意が必要となり、その作業は膨大となります。
県外など遠方へ避難した被災者も多く、書類の不備などで何度も市町村の窓口に来るのはたいへんです。例えば金沢市から珠洲市は、バスで往復7000円程度かかり、時間的にも金銭的にも負担になります。
解体作業は地元企業が請け負う仕事にもなるはずですが、解体が進まなければ、働き口がないために人が被災地に戻ってこないという悪循環にもつながります。どうすれば解体が進むのか?課題はどこにあるのか?災害復興学が専門で東京都立大学名誉教授の中林一樹さんに聞きます。
 
(番組内容は予告なく変更する場合があります)

第1440回「被災者の心とからだを癒す足湯ボランティア」
ゲスト:CODE 海外災害援助市民センター 山村太一さん
    やさしや足湯隊 兵庫県立大学大学院1年生 南太賀さん

元日に発生した能登半島地震の被災地で、学生や若者たちが「足湯ボランティア」を続けています。足湯ボランティアは、1995年に発生した阪神・淡路大震災の被災地・神戸で始まり、東日本大震災など数々の被災地で続けられてきた支援活動です。被災した人たちは、たらいやフットバスに張ったお湯に足を浸すことでリラックスでき、心とからだを癒すことができます。
能登半島で活動を行っている足湯ボランティア"やさしや足湯隊"は、避難所や公民館などで足湯を提供し、手を揉みながら被災者の話に耳を傾けます。また、時には被災家屋の片付けや思い出の品の捜索など、被災者の要望に応じた支援も行っているそうです。
人々はいま、どんな思いで暮らし、何を必要としているのでしょうか。番組では、能登半島で足湯ボランティアを続けているCODE海外災害援助市民センターの山村太一さんと、兵庫県立大学大学院1年生の南太賀さんに被災地での活動について話を聞きます。

CODE海外災害援助市民センター
「やさしや足湯隊」クラウドファンディング

https://code-jp.org/2024/05/01/%e5%ad%a6%e7%94%9f%e3%83%bb%e8%8b%a5%e8%80%85%e3%81%ab%e3%82%88%e3%82%8b%e3%80%8c%e3%82%84%e3%81%95%e3%81%97%e3%82%84%e8%b6%b3%e6%b9%af%e9%9a%8a%e3%80%8d%e3%82%92%e5%bf%9c%e6%8f%b4%e3%81%97%e3%81%a6/
 
西村愛のひとこと
被災した皆さんは、日々大変で、今の困りごとが何なのか、わからない方もいるかもしれません。リラックスしてお話をすると気持ちが整理されて、今の困りごとに気づくきっかけになるかも。お話して仲良くなったからこそ、頼めることもありますね。ボランティアの中には、このプロジェクトをキッカケに能登に移住した方もいるそうですよ!

第1439回「現物主義が支援の壁に? 『災害救助法』の課題」
オンライン:日本弁護士連合会 災害復興支援委員会 副委員長 永野海さん

能登半島地震で課題が浮き彫りになっている「災害救助法」について考えます。「災害救助法」は被災地で応急的な救助や支援を行う法律です。避難所の設置や生活必需品の支給、家屋の応急修理、仮設住宅の設置など広い範囲で適用されます。
しかし、支援の多くは物資や住宅の提供など、いわゆる"現物主義"であり、迅速な救助のためには現金で支給すべきと指摘する声もあります。
例えば避難所での食事は、同じおにぎりや菓子パンが続くこともあり、自分たちが食べたいものを自由に選べません。仮設住宅も、行政が借り上げて提供しますが、地方では確保が難しいのが現状です。被災者自身が物件を選び、その家賃を補助すれば契約もスムーズになります。
災害時にお金があっても役に立たないということで現物支給が続けられてきましたが、今はすぐにコンビニやスーパーが開き、インターネットでも物が買える時代です。さらに現物給付は手続きが複雑で、管理する行政の負担も増えます。「災害救助法」の課題について、日本弁護士連合会の災害復興支援委員会 副委員長 永野海さんに聞きます。
  
西村愛のひとこと
災害救助法は、1947年(昭和22年)戦後間もない頃にできた法律。だから現物主義だったそう。現在は被災後、何日かしたらお店が再開して好きなものを、買うことができる。地元のお店も売り上げが上がり復興につながる!"現金で渡すか、被災者だけが使えるクーポン券はどうかな?"など、今の時代にあった支援に変えていくことが必要ですね。

第1438回「創作絵本で防災を伝える」
ゲスト:絵本アニメクリエイター twotwotwo(ににに)あしださん、ござさん

神戸市中央区にある「人と防災未来センター」の"防災100年えほんプロジェクト"は、創作絵本で災害を語り継ぎ、防災・減災を伝えようという取り組みです。今年3月、このプロジェクトから最初のオリジナル絵本3冊が完成しました。
その中の1冊「ぼうさいバッグのちいさなポケット」は、自宅の倉庫に災害備蓄をしているお父さんと、その倉庫に初めて足を踏み入れた男の子のお話です。災害の時に必要なものって何だろう?男の子は、試行錯誤しながら自分の防災バッグを作ります。
この絵本では、災害への備えに関する具体的な情報を、子どもにも伝わりやすいかわいいイラストで紹介しています。男の子が最後に防災バッグの小さなポケットに入れたものは何だと思いますか。考えてみてください。
番組では、「ぼうさいバッグのちいさなポケット」の作者で絵本アニメクリエイター 「twotwotwo(ににに)」の2人をゲストに迎え、災害への備えについて考えます。
  
防災えほん100年プロジェクト
https://bosai100nen-ehon.org/announcements/1169/
  
twotwotwo(ににに)企画展のお知らせ
https://bosai100nen-ehon.org/announcements/1183
   
西村愛のひとこと
絵本だと子どもたちにも楽しく防災を伝えられるので嬉しいですね。 非常用持ち出し袋に入れるものは、"小銭と千円札をジップロックに入れておく"など細かく描かれているので、大人も"なるほどー!"がたくさん。ペット防災や、様々な災害も絵でわかりやすく説明されています。他の2冊もとっても素敵な作品です!ぜひご覧ください。

第1437回「災害時の自治体職員の健康をどう守る?」
オンライン:産業医科大学 災害産業保健センター 講師/産業医 五十嵐侑さん

能登半島地震からまもなく4か月を迎えます。被災地では復興に向けて対応する自治体職員の多くが長時間労働で疲弊しています。輪島市では、1月の残業時間が「過労死ライン」と言われる100時間を超えた職員が8割にものぼりました。
被災地で調査・支援にあたった「産業医科大学災害産業保健センター」によると、通常業務のほかに、支援物資の受け入れなどの業務が加わり、泊まり込む職員や家族が被災し避難所から通勤するケースもあるといいます。また罹災証明の発行をめぐり、住民からの問い合わせ等で矢面に立つ精神的疲労も大きいそうです。
災害時の自治体職員の健康をどう守ればいいのか?「産業医科大学災害産業保健センター」講師で産業医の五十嵐侑さんに聞きます。
  
西村愛のひとこと
自治体職員の方々はご自身も被災している中、膨大な作業や、市民のやり場のない怒りも受け止める日々。支える人が元気じゃないと復興は進みません。今後は各自治体で健康管理の方針を定める仕組みが進み、もし自分が被災したときには、感謝の気持ちを積極的に伝えることを大切にしたいと思いました。

第1436回「災害ボランティアのこれから」
ゲスト:大阪大学大学院 准教授 宮本匠さん

阪神・淡路大震災が発生した1995年は「ボランティア元年」と言われ、その後の災害では多くのボランティアが被災地支援で活躍しました。しかし、能登半島地震では「自粛ムード」の強まりや行政による「統制」などもあり、さまざまな課題が浮き彫りになりました。
災害ボランティアに詳しい大阪大学大学院の宮本匠准教授は「本来ボランティアは自発的な行動で、行政に統制する権限はない」として、能登半島地震でのあり方に疑問を投げかけています。
日本では昔から人々は助け合って生きてきました。特に核家族化や高齢化の進む現代では、ボランティアの力は災害時の希望にもなります。番組では災害ボランティアのこれからについて、宮本匠准教授に詳しく聞きます。
  
西村愛のひとこと
瓦礫の撤去や家の片付けだけでなく"足湯とマッサージで被災した方の心を癒しながらニーズを聞き出す"という活動など、様々な団体がありますね。活動団体を調べてみると"私にも出来ることが色々ある!"と思いました。今後はボランティアの拠点が増えるなど、支援の輪が広がる仕組みづくりも進んでほしいですね。

第1435回「熊本地震8年~生活の場としての避難所運営」
オンライン:NPO法人「益城だいすきプロジェクト・きままに」代表理事
吉村静代さん

4月14日、熊本地震から8年を迎えます。熊本地震では災害関連死が犠牲者の8割を占めるなど、避難後の生活環境の大切さが浮き彫りになりました。熊本で活動するNPO法人「益城だいすきプロジェクト・きままに」代表理事の吉村静代さんは地震発生直後から避難所運営にあたった1人です。
避難所では「自分たちのことは、自分たちでやる」をモットーに高齢者や乳幼児、女性などの専用スペースを設置。段ボールベッドをテーブルや椅子に改良して食事スペースを作ったり、畳敷きの語らいの場を「カフェ」として設けるなど、避難所を"生活の場"に近づける努力をしました。その結果、4か月間の避難生活で生まれた「繋がり」が仮設住宅へと続き、孤独死や関連死を防げたといいます。
能登半島地震の被災地でも支援活動を行った吉村さんに避難所運営のあり方や能登半島地震の支援活動で感じた問題点などを聞きます。

西村愛のひとこと
避難者の方々に、掃除など様々なお願い事をすることでコミュケーションが生まれていった。と、吉村さん。1ヶ月経った頃には、仲良くなっていたそうです。避難所で余った段ボールで食堂を作り、ゆっくり語り合える場所を生み出したというのも素敵な取り組みですね。災害関連死を防ぐためにも、心が元気になる場所作りが必要だと感じました。

第1434回「災害時のラジオ~共感放送の役割~」
ゲスト:毎日放送報道情報局 大牟田智佐子さん

大きな災害が起こったとき、みなさんはどこから情報を得ますか。新聞・テレビ・ラジオ・インターネットなどのメディアに加え、SNSを中心とした情報発信ツールが増えた今、時には誤った情報やデマが流れることもあります。
災害に遭い被災した人は生活を立て直すための日常に追われ、溢れる情報の中から自分に必要な正しい情報を取り出すことが困難です。そんな被災者に寄り添った"ラジオにしかできない災害放送"があります。
番組では、大災害とラジオに関する研究を行い、ラジオならではの災害放送"共感放送"という概念を提唱している元番組プロデューサーの大牟田智佐子さん(毎日放送報道情報局)に災害時のラジオの役割について聞きます。

大牟田 智佐子 著
「大災害とラジオ 共感放送の可能性」

https://www.nakanishiya.co.jp/book/b10046071.html

西村愛のひとこと
熊本で被災した方々と話した時、"ラジオに勇気づけられた"という声をよく聞きました。 心と心がつながる放送だからこそ"共感放送"が生まれる。東京のリスナーが熊本で被災した人のために市役所に問い合わせて情報を番組に送ったことも!番組を通じて、チームのように絆が生まれているんですね。

第1433回「鉄道乗車中の津波避難」
取材報告:MBSラジオ報道デスク 横矢桐の 
ゲスト:和歌山大学 教授 西川一弘さん

列車に乗っているときに大きな地震が起こったら、津波からどのように避難すればよいのでしょうか。和歌山県南部の海岸線を走るJRきのくに線(和歌山~新宮)は、津波浸水想定区間が全線の35%を占めます。南海トラフ地震が発生すると5~10分で津波が到達すると想定される区間もあり、素早い避難が求められます。
 紀伊半島の自然や歴史・文化を学びながら、いざというときの津波避難訓練を行う列車ツアーがあります。1月に行われたツアーを取材しました。参加者は串本駅から列車に乗り込み、新宮駅の手前で地震が発生した想定で避難訓練を行いました。乗務員が列車の扉を開けると、乗客は列車から飛び降りて高台へと走ります。高さ約150センチから飛び降りることができない人のために、各車両に避難用のはしごが備え付けられています。乗務員はひとりしかいないので、乗客が自分で設置します。
体の不自由な人は避難できるのか、乗客が逃げる方向を瞬時に判断できるのか、夜間や雨天など悪条件のときはどうなのかなど課題は山積で、これからも訓練と改善を続けていく必要があります。このツアーを企画し鉄道防災教育に取り組む和歌山大学の西川一弘教授に話を聞きます。
 
鉄道防災教育・地域学習列車「鉄學」
https://tetsugaku-train.com/
 
「ハッピーラッシュ♪♪♪vol.32 ~能登半島地震チャリティイベント~」
4/7 (日) @ 心斎橋 FootRock&BEERS
12:00start/15:00ごろ終演予定
出演:門松良祐/Bloom Works/有馬尚史(映像作家)
映像や写真を見ながらトーク&音楽ライブです
能登半島地震で被災したお店の商品や防災食も販売します
イベント収益は、石川県・珠洲市の義援金に寄付します
  
【ご予約・お問合せ】FootRock&BEERS
06-6282-1120(17:00~22:00)

https://footrock.jp/schedule/20240407/
   
西村愛のひとこと
乗務員の方の指示を待つだけではなく、 扉が開いたら、自分の判断で素早く逃げる!"扉のところに座ってから飛び降りると、目線の高さが低くなるので、飛び降りやすい"とのこと。海沿いの沿線を走る電車に乗る時は 、乗車中に津波からの避難をするシミュレーションをしておく事も大切ですね。

第1432回「災害時の医療ボランティア」
取材報告:亘佐和子プロデューサー

災害が発生すると、医療機関には平常時の何倍もの患者が来る可能性があります。
一方で医療スタッフは、自身や家族の被災、道路の寸断などで出勤できず、病院は機能しないかもしれません。そんな事態に備えるひとつの試みを紹介します。
「西宮浜」は人口約7000人の人工島です。西宮市の中心部とは西宮大橋でつながっています。この橋が地震で壊れたり浸水で通れなくなったりすると、孤立する恐れがあります。島で唯一の病院の医師や看護師は、みな西宮浜の外に住んでいます。
そこで発足したのが「医療ボランティア」です。西宮浜に住む医療従事者がボランティアとして登録。災害時は西宮浜の避難所か病院の中に応急救護所を開き、診療を行うというものです。現在、十数人が医療ボランティアとして登録していて、先月の防災フェスタで、初めて訓練を行いました。
 ケガをした人、急性心筋梗塞をおこした人、認知症の高齢者など、さまざまな患者を想定し、消防局の救急隊員も参加しての訓練。医療ボランティアの可能性と課題について、訓練を取材した記者が報告します。

「ハッピーラッシュ♪♪♪vol.32 ~能登半島地震チャリティイベント~」
4/7 (日) @ 心斎橋 FootRock&BEERS
12:00start/15:00ごろ終演予定
チケット代の中から経費を除いた全額を能登半島地震の被災地で被災者支援の活動をしている団体に寄付します
【ご予約・お問合せ】FootRock&BEERS
06-6282-1120(17:00~22:00)

https://footrock.jp/schedule/20240407/
   
西村愛のひとこと
「医療ボランティア」素晴らしいアイデア!だなと感じましたが、課題もたくさん。その課題がわかったのが今後の大きな備えになりますね。"認知症の家族がいるなら、いつも携帯している身分証にアレルギーや自宅の住所、家族の連絡先を書いた紙を入れておく。"という私たちができる備えもあるんですね。