第1524回「阪神・淡路大震災31年【1】~1.17のつどい」
電話:「1.17のつどい」実行委員長 藤本真一さん

西村)阪神・淡路大震災の発生から来月で31年。毎年1月17日は、神戸三宮の東遊園地で「1.17のつどい」が開かれ、大勢の人が灯籠に手を合わせて、亡くなった方々を悼みます。このつどいの実行委員長 藤本真一さんにお話を聞きます。
 
藤本)よろしくお願いいたします。
 
西村)来年の「1.17のつどい」はどんなものになりそうですか。
 
藤本)震災30年という大きな節目を越え、例年通りに開催したいと準備しているところです。今年は1月17日が土曜日なので、いつも平日で来ることができない社会人、子どもたちにも参加してもらえると期待しています。
 
西村)「1.17のつどい」は、前日から明かりを灯していますよね。
 
藤本)1月15日、16日に準備する中で、たくさんの人に携わってほしいので、1月16日夕方5時46分に紙灯籠を灯して黙とうします。「希望の灯り」というガス灯を分けて、1個ずつ灯籠のろうそくに灯します。
 
西村)「希望の灯り」は、阪神・淡路大震災で亡くなった人々を追悼する灯りですね。
 
藤本)はい。24時間365日灯し続けています。
 
西村)「希望の灯り」を分灯して、紙灯籠に点灯して、前日1月16日の夕方5時46分に黙とうを捧げ、地震が発生した17日早朝5時46分に黙とうを捧げるのですね。
 
藤本)1月17日の夕方5時46分も黙とうします。計3回黙とうします。
 
西村)早朝に行くことが難しいとい人も黙とうできますね。
 
藤本)たくさんの人に参加してほしいので、機会を増やしています。
 
西村)「1.17のつどい」は、神戸市が開催していると思っている人もいるかもしれません。
 
藤本)神戸市や兵庫県にも協力はしてもらっていますが、基本的には市民で自主的にしている行事。神戸の人だけではなく、全国各地のみなさんに参加して協力してもらっています。状況に応じてお手伝いしてもらいながら運営しています。
 
西村)どんなお手伝いができますか。
 
藤本)15日、16日は竹灯籠を並べ、水を入れたり、ろうそくを浮かべたり。当日はろうそくを配るお手伝いや呼びかけをします。18日は片付けなどです。
 
西村)来年の「1.17のつどい」は何か特徴はありますか。
 
藤本)この数年間、会場の東遊園地の工事やコロナ禍でいろいろ制限がありましたが、それらが全て終わったので久々にいつも通り開催することができます。
 
西村)若い世代もお手伝いに参加しているのですか。
 
藤本)今回からは、「1.17リーダーズ」という若者のチームを作って組織化。現役の大学生たちに当日のボランティアだけではなく、準備や片付けから参加してもらっています。
 
西村)阪神・淡路大震災を経験していない若い世代が「1.17リーダーズ」として活躍しているのですね。何人ぐらいいるのですか。
 
藤本)現役の学生約30人です。
 
西村)どんなことをしているのですか。
 
藤本)みんな「1.17のつどい」にほとんど参加したことがないので、まずは参加することを一番の目標にしています。今回は土曜日なので、震災のモニュメントを巡るツアーも企画。竹灯籠の数が少なくなりつつあるのでみんなで竹灯籠を作りに行きました。「1.17のつどい」を今後長く続けていくために、課題になりそうなことを若い人たちと一緒に考えて実践しています。
 
西村)竹灯籠を一緒に作りに行ったんですね。どちらまで行ったのですか。
 
藤本)神戸市の多井畑の竹林です。高齢化で作業が難しくなっているところが多いです。竹を斜めにカットする作業、積み込み作業は若い人たちでもできるので、作業を細分化して竹灯籠を作りました。先日8人で行ったのですが、200~300本ぐらいできたので、年明けにもう1度行く予定。仕組みを作りながら長く続けていきたいです。
 
西村)竹灯籠を作った学生からどんな感想がありましたか。
 
藤本)「これだったらわたしたちもお手伝いできる」という声がありました。大きな1本の長い竹を切り倒して、使える部分をカットしていくので、学生ができない作業もある。できる作業もあるので話し合いながらやっていきます。
 
西村)ほかにどんな活動をしているのですか。
  
 藤本)参加することを一番の目標にしていて、企画も任せています。失敗してもいいので、まずはやってみることが大事。竹灯籠に並べるろうそくをつくるイベントなどを考えています。SNS等での告知も若い人たちに動いてもらっています。
 
西村)藤本さんやボランティアのみなさんと一緒に、去年、能登半島の被災地に行きましたね。「1.17リーダーズ」のみなさんと今年は行ったのですか。
 
藤本)能登のキリコ祭りのボランティアに呼びかけた際、中学生から大学生まで約80人集まりましたが、みんなボランティアをしたことがなくて。わたしは最初、「1.17のつどい」を手伝って欲しいとは思っていなかったのですが、キリコ祭りの後に、大阪・関西万博の会場で発表する企画も行いました。20~30人集まった人たちが「1.17のつどい」もやりたいと。キリコ祭りから続けている学生プラス、「1.17のつどい」もやってみたいという学生が集まって流れを作っていて、面白いなと思っています。学生たちで、ああだこうだ言いながら企画を作っている様子を見ていると、時代の移り変わりを感じますね。
 
西村)高齢化や過疎化が進む石川県・輪島市町野町曽々木という地区で、能登半島地震が起こりました。避難で人が少なくなって、キリコ祭りが開催できなくなって、藤本さんが神戸からボランティアを募ってお手伝いに行ったのですね。今年で2回目になります。「1.17リーダーズ」の大学生と藤本さんは、お祭りの後も能登の被災地と関わり続けているのですか。
 
藤本)キリコ祭りのお手伝いに行こうと言い出したのもボランティアの大学生たちだったんです。僕は、お手伝いしたいという大学生を応援したい気持ちで。
 
西村)41歳の藤本さんは、若い世代にどんなことを引き継いでいきたいですか。
 
藤本)40歳までは若い人たちと一緒にやろうという流れでしたが、40歳を超えて、今はどちらかというと先生的な立場で、若い子たちの頑張りをアドバイス、サポートする形になりつつあります。僕ができることを全うしよう思っています。
 
西村)「1.17リーダーズ」の大学生からはどんな質問がありますか。
 
藤本)「1.17のつどい」に参加したことない人、阪神・淡路大震災のときは生まれていない人ばかりでみんな学んでいるところ。打ち合わせをする中で、僕はアドバイスをしているだけで、まだ質問が来る段階には至ってないかもしれません。
 
西村)今、灯籠で作る文字を募集中とのこと。詳しく教えてください。
 
 藤本)この文字公募は、わたしが代表になってからスタートしました。みなさんで考えて作っていきたいので、文字を募集することに。1.17という文字は竹灯籠でかたどって、公募した文字は紙灯籠で灯します。震災30年の昨年度と震災31年の今年は状況も思うことも違うので、今に思う気持ちを文字に変えて応募してほしいですね。それを全国に発信します。
 
西村)今年は「よりそう」という4文字でした。来年は何の文字になるのでしょう。文字数の制限はありますか。
 
藤本)1~4文字。並べて型取ることができる文字でお願いします。
 
西村)文字の募集のほかに、ボランティアも募集しているのですね。
 
藤本)1月16日の準備、1月17日当日、1月18日の片付けのボランティアを募集しています。申し込み不要です。東遊園地のボランティア受付のテントで受付すれば参加できます。
 
西村)会場に行けなくても何かできることはありますか。
 
藤本)1月17日という日に阪神・淡路大震災のことを忘れずに伝える。思い返す日にしてほしいです。近年、まだまだ災害が起きています。会場に来てくれたらうれしいですが、テレビやラジオを聞きながらあの日を思い返す1日にしてほしいです。
 
西村)藤本さん、どうもありがとうございました。