オンライン:リスナー たまねぎちゃん
西村)放送開始から30年の節目を迎える今回は、番組に毎週メールをお送りいただいているリスナーの「たまねぎちゃん」と電話をつなぎ、リスナー目線での防災について一緒に考えていきます。今電話がつながっています。
たまねぎちゃん:以下たま)よろしくお願いいたします。
西村)7年間、毎週欠かさずメールを送ってくださってありがとうございます。メールを紹介する中で、たまねぎちゃんは、目が不自由な人だということがわかりました。きょうは、たまねぎちゃんがどんな暮らしをしているのか、災害時に目が不自由な人にどのように接したら良いのか...などいろいろ聞きたいと思います。たまねぎちゃんがこの番組を聞き始めたきっかけは?
たま)阪神・淡路大震災から2年後に病気になりました。しばらくして網膜剥離になってしまって。そのうちにだんだん目が見えなくなりました。病院の先生には、原因がわからないと言われて。その後、悪性リンパ腫の抗がん剤治療で1年間ほど入院。阪神・淡路大震災から6年後には、完全に失明してしまいました。
西村)そうだったんですか。
たま)それからは、テレビを見ているとき、音声がない部分が理解できずに苦しくなってきて。隣に娘がいたときはいちいち聞いていたんですけどね...。そのうち、ラジオを聞くようになりました。ラジオならハンデがないでしょう?この番組を聞くようになったのは、チャンネルを探っていたら偶然行き当たったからです。
西村)運命の出会いですね!
たま)水野晶子(元・MBSアナウンサー)さんの「たね蒔きジャーナル(2009年10月5日~2012年9月29日放送)」を聞いていたのですが、その流れで聞いていました。「たね蒔きジャーナル」を水野さんが"たまねぎジャーナル"と言い間違えていたのがラジオネーム"たまねぎちゃん"のきっかけです。中学生のときにあだ名が"たまねぎ"だったというのもあって。
西村)なぜ"たまねぎちゃん"というあだ名だったんですか。
たま)理由はわからないんだけど、寄せ書きにみんな"たまねぎちゃん"と書いてくれていたのを覚えています(笑)。
西村)たまねぎちゃんは、約7年間ずっとメールを送ってくれています。どんなことに興味を持って、番組を聞いてくれているのですか。
たま)阪神・淡路大震災のときは目が見えていたけど、急に見えなくなってからは、ちょっとした揺れでも怖くて。不安が大きくて、防災に興味を持つようになりました。どうしたら安心できるかなと思って...。
西村)目が見えない生活の中で、災害時の避難など、どんなことを心配していますか。
たま)災害時は、1人では行動できないと思います。避難場所はすぐ隣にあるのですが、遠回りをしないといけないんです。避難訓練で練習はしたのですが、毎日行くわけではないのでもう道を忘れてしまいました...。
西村)今住んでいる家は、失明する前と同じ家ですか。
たま)生まれたときから同じ家に住んでいます。
西村)勝手を知っている我が家ではあるけど、目が見えなくなってからは1人で避難するのは不安なのですね。
たま)ヘルパーさんは、「歳をとってから目が見えなくなったら怖いと感じると思う」と言っていました。
西村)いろいろわかっているからこそ、怖いこともあるのですね。誰か一緒に避難してくれる人がいたら良いですね。
たま)いつもヘルパーさんがいてくれたらいいんですけど...。
西村)もしわたしが、たまねぎちゃんの避難をお手伝いするとしたら、どのように声掛けをして、どのようにお手伝いをしたら良いですか。
たま)手を引っ張ってもらったら怖いので、腕を貸してもらえたらうれしいです。
西村)たまねぎちゃんの手を取って、「わたしの腕を持ってください」と言えば良いですか?
たま)そうです。腕を貸してもらえたら白杖で歩くことができます。腕を引っ張られたら怖いんです...。
西村)目の不自由な人をお手伝いするときは、それを心にとめておきたいと思います。この番組を聞いて、実際にやってみた防災対策はありますか。
たま)我が家は、昔の家なのでガラス戸が多くて危なくて。アクリル板につけ替えてもらったんです。ガラス戸だと割れたら怖いから。最近聞いたローリングストックの回も参考にしました。長期保存の防災食をたくさん買っていたのですが、賞味期限をチェックするのを忘れていて、番組を聞いてあわてて調べたんです。そしたら賞味期限が3月で切れていて。ラジオで言ってくれて良かったです。
西村)長期保存可能のものは、なかなかチェックしないですもんね。
たま)少し多めに買ってローリングストックした方が良いとラジオで言っていたので、長期保存はやめました。
西村)実践してくれてありがとうございます!これからのネットワーク1・17に期待することはありますか。
たま)普段、のほほんと生活しているから番組を聞くたびに刺激になっています。ずっと続けてほしいです。わたしは被災地にボランティアに行けないから、寄り添うことしかできないけど...。ラジオで被災地の状況がわかるのは良いと思います。
西村)この番組からも引き続き被災地の声を届けていきます。
きょうは、ネットワーク1・17放送開始30年に当たり、リスナーのたまねぎちゃんにお話を伺いました。