ゲスト:堺市総合防災センター 副所長 古川典央さん
西村)"あなたとあなたの大切な人を守るために"をコンセプトに開館した「堺市総合防災センター」。地震や火災などの災害を実際に体験しながら、防災を学ぶことができる人気の施設です。番組の子どもリポーター、中学生防災士の佐藤愛美さんが「堺市総合防災センター」へ取材に行ってくれました。そのようすをお聞きください。
音声・佐藤)ネットワーク1・17子どもリポーターの佐藤愛美です。中学3年生です。今日は堺市総合防災センターを取材させてもらいます。こんにちは。よろしくお願いします。
音声・古川)こんにちは。堺市総合防災センター副所長の古川です。
音声・佐藤)ここはどんな施設ですか。
音声・古川)2022年にオープンした防災体験型学習施設です。入館料は無料で、どなたでも防災に関する体験学習をしていただけます。消防隊の訓練施設が併設されているほか、大規模災害時には全国からの応援部隊の集結場所や備蓄支援物資の配送拠点にもなります。
音声・佐藤)ここではどんな体験ができるのですか。
音声・古川)地震体験や実際に炎を用いての消火体験、水圧ドアの開放体験、冠水路の歩行体験などさまざまな体験ができます。きょうはいろいろと体験して防災を学んでください。
西村)愛美さんが体験学習を始めようとしたところ、敷地内にサイレンが鳴り響きました。一体何があったのでしょうか。
音声)(サイレンの音)
音声・古川)今、救助出場の指令がかかりました。こちらの防災センターには、救助隊が常に待機していますので、現場出場の指令を受けて今から出場するところです。
音声・ディレクター)目の前で救助隊が出ていくようすを見てどうでしたか。
音声・佐藤)緊迫したムードで、命を救うということの大切さがわかりました。
西村)消防の救助隊が出場するサイレンだったのですね。きょうは愛美さんに説明をしてくれた堺市総合防災センターの副所長、古川典央さんにスタジオに来てもらいました。
古川)よろしくお願いいたします。
西村)総合防災センターの敷地内に消防署があるのですか。
古川)敷地内には災害活動支援棟という建物があり、救助隊が常駐しています。救助出場がかかれば、現場に出場します。防災センターでイベントを開催しているときに出場することもあります。訓練施設も併設されているので、タイミングが合えば実際の訓練のようすも見ることができます。
西村)ぜひ見てみたいです。この日、愛美さんは水害に関する体験学習をしました。そのようすをお聞きください。
音声・佐藤)ここではどんな体験ができるのですか。
音声・古川)こちらでは水害に関する体験ができます。初めに浸水時のドアの開放体験をしてもらいます。その後、冠水路の歩行体験をしてもらいます。
音声・ディレクター)浸水時にドアの開閉をしたことがありますか。
音声・佐藤)ないです。浸水をまず体験したことがないので。はじめてです。
音声・ディレクター)どんな感じだとイメージしますか。
音声・佐藤)水圧がすごいと思うので、ドアは開けられないと思います。
音声・古川)水の中に入るので、胴長という長い長靴のようなものを履いてもらいます。それでは着替えてください。
西村)胸元まであるゴム製の防水ブーツを履いて、準備が整った愛美さん。水害体験は、水を使うので屋外で行います。屋外に設置されたドアの向こうには浸水時を想定して、水深60cmの水が張られています。ここからの説明は、東日本大震災など、実際の被災地で支援活動を行ってきた堺市消防局OBの金銅稔夫さんが担当しました。
音声・金銅)金銅と申します。よろしくお願いします。風水害が起こったときに川が氾濫したり、大雨が降ったりして、扉の外に水が溜まっています。どれぐらいの深さで扉を開けることができるでしょうか。どうしたら一番安全に避難できるでしょうか。水圧ドア体験をしてもらいます。ここにノブがあります。回したまま持って押してください。
音声・佐藤)わかりました。
音声・金銅)水深は60cm。扉には約150kgの圧力がかかっています。肩も使って押してみて。
音声・佐藤)(扉を押す)ううう~!かなり重たいです!
音声・金銅)ちょっと無理かな。ノブを回して少し空いたときに手を間に詰めると、指が潰れてしまうので気をつけてください。絶対ここを離さないで。60cmが無理だったので50cmに下げてみましょう。
音声・佐藤)60cmは膝と腰の間ぐらいの深さでした。重たくて開く気配がなかったです...。
音声・金銅)それでは水深50cmに挑戦してみましょう。
音声・佐藤)ではやっていきます!押します。(扉を押す)う~ん!
音声・金銅)頑張って!
音声・佐藤)かなり重たい!さっきとあまり変わってないです。
音声・金銅)50cmでも圧力は100kgぐらいかかっています。もう少し下げてみましょう。次は40cmです。
音声・佐藤)行きます!せーの!!(扉を押す)
音声・金銅)頑張って!
音声・佐藤)ちょっと揺れてる...。いや、無理ですね...。
音声・金銅)次は30cmいってみましょう!30cmでどのぐらいの圧力がかかってると思う?
音声・佐藤)40kgくらいですか?
音声・金銅)37kgくらいです。では、開けてみましょう。
音声・佐藤)いけるかな!?3・2・1!うわー!開きました!重たいです!よかったです。
音声・金銅)水圧がかかっているときに開けて出ることができても、外は水だらけ。水が溜まる前に早く避難をすることが一番重要です。
音声・佐藤)災害が起こったときは、水だけではなく、石とか木も流れてくると思います。
音声・金銅)大正解!通常の大雨でマンホールが吹き上がった時などは、泥はありませんが、河川氾濫、土砂災害では水の中に石や泥、砂がいっぱいあります。きょうは水深30cmで開いたけれど、10cmでも開かない場合があります。事前に国の情報をしっかり確認して早めの避難をしてください。
西村)愛美さんの声からもかなり重いことが伝わってきました。やっと開いても、そのあとが怖いですね。早めの避難が大切です。さて、続いて愛美さんは冠水した道路の歩行体験に挑戦しました。水深30cmの水を張ったプールに水流を起こし、その中を歩いていきます。
音声・佐藤)このプールではどんな体験ができるのですか。
音声・金銅)ここでは、水が速く流れているところを実際に歩いて、どのぐらいの抵抗があるのかを体験してもらいます。プールの大きさは2m50cm✕3m50cmぐらい。深さは30cm。今は緩めの流れにしています。この傘を杖代わりにして、右手は横の柵を持って、歩いてもらいます。最後に流れを強くしますよ。大丈夫ですか?では体験してみましょう。
音声・佐藤)水は、膝下ぐらいの高さです。入ります!よいしょ!水圧がものすごくて、すごい水圧で足がかなり重たい。傘を左手で持っているんですけど、傘が流されそうなくらい水流がすごい!すごいです!肩のとこから力を入れないと流れていってしまいそう...。今は手すりがあるけど、災害が起こったときは手すりもないので、これはかなり心配です。
音声・金銅)もっと速い流れに変えます。では1回出ましょう。時速6kmぐらい。
音声・佐藤)6kmですか!では入ります。入りました!これは...流されます!左側にペットボトルが流れているんですけど、先ほどよりかなり早いスピードで回っています。足がもう痛いです。
音声・金銅)川が氾濫したらすごい流れになりますよ。それも濁流で石とか泥も一緒に流れてきますよ。では、反対を向いて!今度は後ろから流れがきます!頑張って!
音声・佐藤)もう歩けません!流れが逆になったら、一気に歩けなくなります。
音声・ディレクター)前から来る流れと後ろから来る流れとはどう違いましたか。
音声・佐藤)後ろからの流れの方が、勢いがすごくて歩けないほどです。
音声・ディレクター)こんな流れの中、避難できると思いますか。
音声・佐藤)できないですね。
音声・金銅)10cmぐらいでも流されてしまいます。こうなる前に早い避難を心がけてください。
音声・ディレクター)水害に関する意識は変わりましたか。
音声・佐藤)災害時は手すりもないし、歩くのも大変。家族みんなで協力して、早め早めの行動をして、避難所へ向かいたいと思いました。
西村)これらの水害体験で子どもたちにどんなことを学んでほしいですか。
古川)台風や豪雨のときは、早めに避難することが大切ということ。全国的にも台風や豪雨による川の氾濫や道路の冠水、住宅の浸水といった水害が発生しています。ここでの体験を通じて、流れている水の怖さや冠水時の歩行の難しさ、浸水したらドアが開かなくなることを体感し、浸水してからでは避難することが難しいこと、早めに避難することの大切さを学んでほしいです。
西村)この水害体験には年齢制限はありますか。
古川)水害体験は、中学生以上で5~20人までで予約を受け付けています。屋外で行うため安全を考慮して、雨天時は中止となります。
西村)水害の体験以外にもさまざまな体験学習ができるんですよね。
古川)大きなモニター映像を見ながら、実際の地震の揺れを体験できます。直下型地震と海溝型地震の揺れを再現しています。
西村)こちらも中学生防災士の愛美さんが体験リポートをしてくれました。そのようすをお聞きください。
音声・金銅)地震の最大級の揺れを体験してもらおうと思います。7分間の間に大きな揺れが2回きます。揺れる前に前のバーをしっかり持って、足は肩幅に開いて、お腹を打たないようにしっかり両手で押さえてください。大丈夫ですか?揺れますよ。
(震度7の揺れ)
音声・佐藤)揺れてきました。大変です!え!言葉が出ません。何が起こったんですか!
(海溝型地震の揺れ)
音声・佐藤)だんだん揺れてきました!これ大変です!前の映像では、家の家具がなにもないです...。助けてください!震度ってどれくらいですか。
音声・金銅)初めの大きな揺れは直下型。堺市にも上町断層が通っていて、その断層がずれると、震度7の揺れがおこります。2回目の揺れは横ゆれが多かったと思います。海溝型地震です。南海トラフが揺れると大阪府全域で、震度6弱の揺れがおこります。その強さを体験してもらいました。どうでしたか?
音声・佐藤)立つことすらできなかったです。今は前に棒があったけど、いざというときはバランスを取ることができないと思う。怖い!
音声・ディレクター)直下型地震と海溝型地震の揺れの大きな違いは?
音声・金銅)直下型は突き上げるようなドーンという揺れが来ます。海溝型は遠い海の中で揺れているので全体がグラグラと揺れます。横揺れが大きいです。海溝型は事前に携帯が鳴ったらわかりますが、直下型は携帯が鳴るより先に揺れが来るときがあるので注意してくさい。
音声・佐藤)改めて、家具の固定をやらなければならないと思いました。
音声・金銅)家具の転倒防止、家の耐震診断などをするきっかけになれば。大きな揺れがあったら、上から物が落ちてこないところでしっかり自分の身を守りましょう。家だったら、柱があるところ、出口に近いところ、上から物が落ちてこないところでしっかり自分の身を守ってください。
西村)直下型と海溝型と2種類の地震を体験できるのですね。わたしも家族でぜひ体験に行きたいです。体験学習には予約は必要ですか。
古川)防災の基本を学ぶ真・体験コースや、幼稚園。保育園児向けのキッズコースなどは、コースに空きがあれば飛び込みでも参加可能です。予約は必須ではないですが、電話で予約すると安心。ほかにも、火災や救出・救助など、災害の種類に応じた体験コースもあります。事前に予約が必要なコースや、年齢や身長によって体験できるコースが異なるので、ホームページでご確認ください。風水害は地震とは異なって発生を予測することができる災害。浸水が予想される地域はハザードマップなどで確認することができます。お住まいの地域を事前に確認して準備しておくことが大切です。堺市総合防災センターでは、ツアー形式の体験により、防災を学ぶことができます。ぜひ一度ご来館いただき、防災を学んで、災害に備えてください。
西村)子どもリポーターの佐藤愛美さん、副所長の古川典央さん、どうもありがとうございました。
